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人生初の心霊体験 ページ28

「ふふふ、ふふふふ」


すると、彼女は不気味に笑い出した。

こっちが怯えてしまうほどに。


「ふふふふふふふふふふふふ」

「ひ、ヒトミ!? どうしたのよ!?」


笑い声に反応するように、ドアの振動も大きくなる。

しまいには机やら椅子やらもガタガタと動き出し、いかにも怖い雰囲気を作り上げていた。


「ひっ、ヒトミ! あたしたち、先に教室戻るからね!」

そんな言葉を言い残し、安藤さんと取り巻きは教室から逃げるように去っていった。



残された私は、戸惑いつつも「ヒトミ」という女子を見る。


すると、安藤さんがいなくなった途端、彼女は笑うのをやめた。


そしてケロリと顔を上げ、私に目を向ける。

え、えっと……?

「だ、大丈夫? ……ひ、ヒトミさん?」

そう声をかけて、内心怯えつつも彼女に近寄る。

そして、「あれっ」と疑問を抱いた。

やけにチークが濃い。

まるで、頰に赤いマーカーで円を描いたみたいな。


おかしいな。 最初この教室に入ってきたときは、こんな奇抜なメイクしていなかったはずじゃ……。


「ひゃっ!?」

すると突然、ヒトミさんが私の方へと倒れて来た。


慌てて受けとめるも、体勢を崩して私まで転びそうになる。

うわっ……! 人って、結構重いんだなぁ。

「ていうか……ヒトミさんっ? ど、どうしたの?」

混乱する私に、ますます追い討ちをかけるように不可解な現象が起こった。


ヒトミさんの背中から、ヌルっと人魂が飛び出して来たのだ。


黄緑色の、人魂。

人魂……あれ? この人魂、目と鼻と口がある。


「よう、嬢ちゃん」


「はへっ!?」


人魂が喋ったぁ!?


驚いた私は、いよいよヒトミさんを受けとめていた体勢が崩れ、派手に尻餅をついた。

「痛ぁ……!」

じーん……と、激痛が腰に走る。

ヒトミさんは私にもたれかかっている状態で眠っており、特に怪我をしている様子は無い。


「おいおい、女子高生がそんな格好するもんじゃナイぜ」

「えっ? ……あっ!」

慌てて、少し捲れたスカートの裾を押さえる。


顔を上げると、緑色の人魂が私を見下ろしていた。

自分の目が信じられない……。

私はポカンと驚いたまま、そのフワフワをジッと見つめた。

「…………」

「…………」

「…………」

「…………」

場に降りる沈黙。


「いや、俺様に何か聞かねぇの!?」

痺れを切らしたのか、フワフワが大声でツッコんできた。

実際変な物でしょ→←数の暴力



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作品ジャンル:アニメ
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オトナノジジョウ(プロフ) - ただのアニメ好き☆さん» 毎回素敵と言ってもらえるなんて……! ありがとうございます! ほんっとうに嬉しいです! これからも頑張ります! (2019年6月29日 12時) (レス) id: aad4b6e5d2 (このIDを非表示/違反報告)
ただのアニメ好き☆(プロフ) - 更新されるお話が毎回毎回素敵で本当に読んでいて楽しいです!更新お疲れ様でした!無理をなさらずにまた更新頑張ってくださいね! (2019年6月29日 10時) (レス) id: 4ee9350697 (このIDを非表示/違反報告)
オトナノジジョウ(プロフ) - 木の葉さん» こちらこそ、ありがとうございますー! 嬉しいお言葉です! もっとぼっちに優しい世界になるといいですね〜。 (2019年4月15日 7時) (レス) id: aad4b6e5d2 (このIDを非表示/違反報告)
木の葉 - ぼ、ぼっちに優しい…!!!!!ありがとうございますぅぅぅぅ(´Д⊂ヽしかもすっごく面白いです!これからも更新頑張ってください(*^^*) (2019年4月15日 6時) (レス) id: 927779d34a (このIDを非表示/違反報告)
オトナノジジョウ(プロフ) - ただのアニメ好き☆さん» ありがとうございます! とっても励みになります! おっしゃる通り、無理し過ぎず頑張っていこうと思います! (2019年4月14日 12時) (レス) id: aad4b6e5d2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:オトナノジジョウ | 作成日時:2019年4月10日 23時

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