動けば動くほど縄は絡まる ページ26
薄暗い多目的教室のドアをノックする。
ここは物置として使われている教室で、普段は先生も生徒も滅多に来ない。
そんな人気の無いはずの空間が、今日は複数人の気配を感じた。
「入ってー」
返って来た返事に怒気は無く、むしろおかしいとでも言いたげな含み笑いが込められていた。
「…………」
失礼します、と言うのも違和感を感じて、私は黙ってドアを開いた。
教室の中には、クラスの女子が二人と、他クラスの女子が二人。
総勢四人の中心には、綺麗な髪をいじりながら薄い笑みを浮かべる安藤さんが立っていた。
「やっほ、本田」
軽やかに声をかけて来た彼女に、私は何と返事をするべきか迷う。
しかし、私の挨拶なんて待ってる気は無かったのか、安藤さんはあっさりと口を開いた。
「あたしが言いたい事、分かるだろうけど」
一気に穏和な空気が消え、安藤さんは冷たく睨むように私を見つめる。
「……この前、なんで輝気くんと保健室にいたの？ しかも服脱いでさ」
その鋭い眼光に、思わず心が怯んだ。
誰とも関わらないぼっち故に、こういう敵意のある目線には全く免疫が無い。
一歩後退りした私に勝機を感じたのか、安藤さんは余裕そうな表情で話を続ける。
「なんか怪しい事でもしてたんでしょ。 言っとくけど、ここ学校だよ？ ちょっとヤバいと思わないの？」
説教じみた言葉に、私はブンブンと頭を振った。
「違うの、安藤さん。 私と花沢くんは、怪しい事なんて何もしてないの。 ただ、鼻血で汚れた服を替えてくれただけで……」
否定するけど、安藤さんは不機嫌そうに眉をひそめた。
「輝気くんも同じようなこと言って来たけどさ。 あんた何か吹き込んだの？ 輝気くんに変な事しないでよ」
「ふ、吹き込んでなんかないよ。 テルくんは、安藤さんの誤解を解くために行動したんだよ」
「……テルくん？」
あ……しまった。
そう思った時には、もう手遅れだった。
「なに。 輝気くんの事、テルくんって呼んでるの？」
一層刺々しくなる安藤さんの言葉。
「あたし達へのアピールのつもり？ ねぇ、輝気くんは皆の人気者なんだよ？ それをあんたが独り占めしようっての？」
「ち、違う！」
「はぁ？ 何が違うっていうのよ！」
思わず大声を上げた私に煽られたように、安藤さんも語気が荒くなる。
胸がドクドクと苦しくなり、冷や汗が背中を濡らす。
嫌だ……怖い。 逃げ出したい。
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オトナノジジョウ(プロフ) - ただのアニメ好き☆さん» 毎回素敵と言ってもらえるなんて……！ ありがとうございます！ ほんっとうに嬉しいです！ これからも頑張ります！ (2019年6月29日 12時) (
レス) id: aad4b6e5d2 (このIDを非表示/違反報告)
ただのアニメ好き☆(プロフ) - 更新されるお話が毎回毎回素敵で本当に読んでいて楽しいです！更新お疲れ様でした！無理をなさらずにまた更新頑張ってくださいね！ (2019年6月29日 10時) (レス) id: 4ee9350697 (このIDを非表示/違反報告)
オトナノジジョウ(プロフ) - 木の葉さん» こちらこそ、ありがとうございますー！ 嬉しいお言葉です！ もっとぼっちに優しい世界になるといいですね〜。 (2019年4月15日 7時) (レス) id: aad4b6e5d2 (このIDを非表示/違反報告)
木の葉 - ぼ、ぼっちに優しい…！！！！！ありがとうございますぅぅぅぅ(´Д⊂ヽしかもすっごく面白いです！これからも更新頑張ってください(*^^*) (2019年4月15日 6時) (レス) id: 927779d34a (このIDを非表示/違反報告)
オトナノジジョウ(プロフ) - ただのアニメ好き☆さん» ありがとうございます！ とっても励みになります！ おっしゃる通り、無理し過ぎず頑張っていこうと思います！ (2019年4月14日 12時) (レス) id: aad4b6e5d2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：オトナノジジョウ | 作成日時：2019年4月10日 23時
