素直になったもん勝ち ページ11
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(テル)
「おっと……もうこんな時間。 私、そろそろ帰るね」
窓から見える空はすっかりオレンジ色で、時計の針は六時半を指していた。
早いなぁ。 もう帰る時間だなんて。
……もっと一緒にいたいのに。
そんな子供じみた思いをどうにか振り払う。
「あぁ、送るよ」
帰ろうとするAに合わせて、僕も立ち上がった。
「えー？ 大丈夫だよ。 そんな遅い時間じゃないし」
「そうかい？」
「そうだよー。 あはは、意外とテルくんって過保護だよね」
おかしそうに笑うA。
む、むぅ……過保護とは心外だ。
「私の家すぐそこだよ？ 一人でも大丈夫だって」
「……じゃあ、玄関まで見送るよ」
「うん。 ありがと」
玄関に移動し、靴を履くAを見つめる。
「よいしょっと……よし。 じゃあね、テルくん」
Aは胸の前でバイバイと手を振ると、ドアノブに手をかける。
「あっ……うん。 今日はありがとう。 Aのおかげで助かったよ」
あまりにもアッサリと帰ろうとするAを名残惜しく感じて、僕は慌てて会話を続けようと口を開いた。
するとAはクルリと振り返って、「あは」と笑う。
「そ、そうかな。 それはそれは、どういたしまして」
……照れてるの、バレバレだよ。
心の中だけで呟いた。
照れ臭いのを誤魔化すための笑みだという事に気づいてはいるが、何も言わないでおく。
「テルくん」
突然、Aから名前を呼ばれ、僕は彼女に目を向ける。
Aは少しはにかむように微笑んだ後、僕をまっすぐ見て伝えてくれた。
「私からも……ありがとう。 久し振りにテルくんと一日中お喋りして、楽しかった」
……あぁ、ずるい。
僕の方にまで彼女の照れがうつってきたようだ。
「……僕も楽しかったさ」
本当は、気づいていたのだ。 Aを家に呼んだ理由なんて。
「ラブレターの返事を書いて欲しい」なんて当然建前で、「Aの恋愛観を知りたい」というのも、本当の目的じゃない。
……僕はただ、Aと一緒にいたかっただけなんだ。
「じゃあ、ばいばい。 テルくん」
Aは今度こそドアノブに手をかけ、すぐにドアを開く。
……もっと一緒にいたい。
わがままな気持ちに背中を押され、僕は一歩踏み込んだ。
「A！……また一緒に休日を過ごしてくれるか？」
こちらを見たAは、本当に嬉しそうな笑顔で頷いた。
「もちろん！」
……次は、口実無しで遊びに誘うよ。
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オトナノジジョウ(プロフ) - ただのアニメ好き☆さん» 毎回素敵と言ってもらえるなんて……！ ありがとうございます！ ほんっとうに嬉しいです！ これからも頑張ります！ (2019年6月29日 12時) (
レス) id: aad4b6e5d2 (このIDを非表示/違反報告)
ただのアニメ好き☆(プロフ) - 更新されるお話が毎回毎回素敵で本当に読んでいて楽しいです！更新お疲れ様でした！無理をなさらずにまた更新頑張ってくださいね！ (2019年6月29日 10時) (レス) id: 4ee9350697 (このIDを非表示/違反報告)
オトナノジジョウ(プロフ) - 木の葉さん» こちらこそ、ありがとうございますー！ 嬉しいお言葉です！ もっとぼっちに優しい世界になるといいですね〜。 (2019年4月15日 7時) (レス) id: aad4b6e5d2 (このIDを非表示/違反報告)
木の葉 - ぼ、ぼっちに優しい…！！！！！ありがとうございますぅぅぅぅ(´Д⊂ヽしかもすっごく面白いです！これからも更新頑張ってください(*^^*) (2019年4月15日 6時) (レス) id: 927779d34a (このIDを非表示/違反報告)
オトナノジジョウ(プロフ) - ただのアニメ好き☆さん» ありがとうございます！ とっても励みになります！ おっしゃる通り、無理し過ぎず頑張っていこうと思います！ (2019年4月14日 12時) (レス) id: aad4b6e5d2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：オトナノジジョウ | 作成日時：2019年4月10日 23時
