現在進行形ぼっちのあなたへ！４【モブサイコ100】 (ページ1)

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見慣れないページ1

「一時間目は、体育だ」

「うわ、朝から大変だね」

そんな雑談をしている間にもテルくんは周囲から目線を浴びていた。

憧れを抱くような目線もあれば、嫉妬にはらんだ黒々とした目線も浴びていて……。

マイナスな目線からテルくんを守るように、私は彼の隣へと身を乗り出す。

「花沢くんは、体育得意だよね」

「そうだな。よく知ってるじゃないか」

「ま、まぁ……私の世界でも、体育の時間はよく目立ってたし」

テルくんは、私みたいにうまく輪に溶け込めていないクラスメイトにも、パスを出す人だった。

よく覚えてる。

＊＊＊＊＊

SHRが終わり、テルくんは体育の準備をするために教室を出る。

何人かの男友達と共に移動するため、私はただ黙って後ろをついて行くしかなかった。

ちょっと、疎外感。でも辛くないのが、前世とは違う点だ。

テルくんとその友達を後ろからじっくり見て、分かったことがある。

テルくんは周りの友達から気を使われている。

男子同士の小競り合いというか、そういう良い意味で距離感のない関わりが無い。

テルくんの友達は、テルくんに惹かれているというより、テルくんの周りにいる事に惹かれているような……。

「ところで、どこまでついてくるんだい？」

「え？」

友達の輪から外れて、こっそりと聞いてきたテルくん。私は思わず目を見開く。

わ、私のこと鬱陶しく感じちゃってる！？

うわ、わわ、嫌われ……っ！

「ここ、男子更衣室だけど」

「え！？」

ハッと周りを見回すと、半裸の男子たちに囲まれていた。

一気に顔が熱くなり、くらくらと眩暈がする。

「〜〜〜〜っ！ごめんなさい！！」

大声で謝罪を口にした私は、かつてないスピードで男子更衣室を飛び出した。

背後から、テルくんのけらけらとした笑い声が聞こえた。

急に一人で笑ってたら、変な人に思われちゃうよ。そう咎める気も起こらなかった。

＊＊＊＊＊

20分ほど時間は過ぎ、体育の授業が始まる。

「今日はサッカーなんだね」

グラウンドで準備体操をするテルくんに話しかける。

「うん、そうだね。 ……もう熱は冷めたかな？」

「………っ！思い出させないで！」

顔を覗き込んでくるテルくんを睨みつけ、再び熱くなる頬を手で覆う。

ううう、また脳裏に浮かんじゃう……。

「男の裸は見慣れてないんだね」

「当たり前でしょ！」

カッとなって言い返すと、テルくんは満足そうに頷いた。