雪華神社にて。 (ページ3)

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雷さまのお通りだページ3

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縁側でのんびりしっぽを揺らしながらお稲荷さんを頬張る午後、なんて幸せなんだろ～！
お稲荷さんはおいしいし、のんびりしてるから眠くなるし…お昼寝してもいいよね？いいよね？

ごろんと、縁側に横になって自分のしっぽを抱き枕みたいに抱きしめたその時、ピカッ！と空が光った。
まさか…？と思って顔をあげればゴロゴロと遠くで鳴り響く音。

辰｢え！うそでしょ？？さっきまで晴れてたじゃあん…｣

空を見れば、鉛色の雲。何を隠そう、私九尾のたつや。世界で1番雷が嫌いです。

縁側からすぱん！と襖を開けて中に入れば、放置してあった毛布に包まり耳を伏せしっぽを抱える。

辰｢はやくかえってきてよぉ…｣

そうなんです、こんな日に限って今日はみんなお出かけ中。
神様のくせに、雷が嫌いって笑うな！神様だって、怖いものくらいあるの！！怖いの嫌いなの！もう！

遠くで響く雷の音に紛れてバサバサと聞きなれた羽音が聞こえてきて、怖かったことも忘れ襖をすぱん！と開けては、羽音の正体のだてさんにぎゅっと抱きつく。

涼｢ふふ、ただいま。1人にしてごめんね？｣

辰｢こわかったぁ…｣

だてさんの顔を見た瞬間溢れ出た涙を馬鹿にすることもなく、よしよしと頭を撫でてくれただてさんの胸元に顔を埋める。

辰｢ぴゃ！！また、かみなり…！｣

近くに落ちた雷の音にぶわっとしっぽの毛が逆立つ。

涼｢たつや、大丈夫大丈夫｣

辰｢だてさぁ…こあい｣

たつやがこんなにも雷を怖がるのにはわけがある。
まだ子狐だったたつやに、たつやの頼れる兄貴分のひであきに脅されたからだ。

｢いいか、たつや。雷が鳴ったら真っ先におへそを隠せよ？持ってかれちゃうからな？｣と。

それを未だに信じているたつやを可愛いなあと笑いながら、雷が鳴り止んだら一緒にいなり寿司でも作ろうかなと考えた涼太でした。

辰｢びゃああああ！かみなりぃいい！！｣

涼｢うん、…たつやのこえのほうがおおきいよ｣

fin