【Fate/go】元マスターがサーヴァントになりまして (ページ23)

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「おはよ。A、よく眠れたかい？」

　同じベッドの上で私の寝顔を見ていたであろうコイツはまだ私の部屋にいるのか。しかもえらくリラックスして上の白い上着まで脱いでいる。

　そんなヤツに心底嫌な顔を見せてやる。

「朝からそんな可愛くない顔しないでくれないかい？」

　うりうりと人差し指で頬を突かれる。

「もーやめてっ」

　鬱陶しくなって首を軽く振りつつマーリンの手をはたく。

「昨日はそこそこ素直だったのに起きたらコレかぁ」

　よっこいせとベッドから立つマーリンはパッと手で身体を払うといつもの服装になる。

「私は出て行くけどAはどうする？朝ごはん食べるのかい？」

　なら一緒に…と話をするマーリンには両腕を広げる。

「うん？それはなんだい？」

「抱っこして。抱っこして食堂まで連れてって」

「…A、キミ……」

　ハッとして腕を下ろす。

「ごめん！うそうそ！変なこと言ってた！冗談だから！！」

　寝ぼけてたにしても何甘えたことをマーリンに言ってるんだと思い精一杯の謝罪をする。

「そんなマーリンお兄さんに甘えたかったなんて、可愛いなぁAは～」

　ベッドに座ったままの私を掬い上げて縦抱きにかかえる。

「ほんとゴメン。嘘なの。ちょっとボーっとしてただけで自分で歩けるから！」

「ぼーっとしててその発言が口から出るなんて本音は私に甘えたかったんだろう？」

「違うから！！」

「マーリンお兄さんは優しいから食堂までじゃなくて一日中キミを抱っこしてあげるよ」

「はっ、マーリンで優しいって言うならこの世の人全員優しいわ！」

　そんなことを言ってたらマーリンは私を抱えたまま廊下に出る。

「はぁ、もういいよ。食堂まで連れてって」

　マーリンの肩に手を回し顔を乗せる。

「もちろんだとも！にしてもAは軽いねぇ」

「サーヴァントなんだから人ひとりぐらい余裕でしょう。私だってマスター持ち上げて軽いって言えるもん」

「はは、それもそうだね」

　私は食堂に到着するまでマーリンの長い髪を触って遊ぶことにした。