【Fate/go】元マスターがサーヴァントになりまして (ページ20)

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当てつけ…きっとマーリンへの当てつけなのだろう。

　同じキャスターには絶対にならないからな！という事だろう。自分のことだから理解できる。

　しかし、マーリンの目の届かない星で当てつけにランサーとして召喚されるのはそれは当てつけになるのだろうか？

「でも、どうしてギルガメッシュ王は今その話を私に？」

　私のことを知っているにしても唐突に過去の話をするなんて、よくよく考えたら裏があるに違いない。

「うん？ああ、雑種がなかなかに腹が立っている顔をしていたのでな。懐かしくなってちょっかいをかけただけだ」

　なんだそれは、気遣ってくれた…とポジティブに思って良いのか？

「また別の奴に当てつけしてみるか？」

「誰に？」

「騎士王、アーサー・ペンドラゴンにだ」

　彼は見抜いているのだろう。私が怒っていた理由を。そして、それを知った上で悪巧みの誘いをしているのだろう。

　暇つぶしに。

「いいですよ」

　私の快諾によってこの話は進んで行く。

「良いな？次Aがレイシフトする機会があれば我を推薦しろ。もし、雑種が我をレイシフトに同行させるのであれば貴様も同行しろ」

　アーサーは呼ぶなと釘を刺されて。

「わかりました」

「…では我は疲れたから帰るぞ。残ったワインは好きに飲め」

　そう言ってグラスを置くと霊体化して目には見えなくなった。

　残ったグラスやボトルやらを片付けるかと思い椅子から立つとタイミングよく部屋のドアが機会音を立てて開いた。

「うわ、すごい古酒の香り」

　マーリンは袖の裾で鼻を隠す。

「マーリンか、マーリンもお酒飲む？」

　半分以上残っているワインボトルを持ち上げてみせる。

「いや今はいいよ」

「そうなの？いいお酒みたいだけどな」

　要らないと言われたので部屋に備え付けの洗面台にお酒を流す。

「うわぁ、勿体ない…！」

　横から流れ行くワインを覗き込むマーリンが言う。

「だったら飲めばよかったのに、私は飲まないし放置してても不味くなってくだけだから流したの」

　ついでにグラスも水で簡単に洗う。あとで食堂行った時に綺麗にしておこう。

「ほんと英雄王もヤなことするよ」

　マーリンはまだ水に濡れたグラスを私の手から取り照明を当てて下から覗く。

「Aは私のモノなのに」

「変な独占欲はやめてよね」

「独占欲？これは欲ではないよ。事実さ、Aは私のモノってことは」

　割ったら怒られそうだからと言ってマーリンは机の上にグラスを乗せたら私のベッドの上に転がった。