【ユーリ!!!】野球女と銀盤の王子2 (ページ41)

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つ、着いた！

　本当、ヴィクトルはすぐに寝るし、私とヴィクトルの席は通路挟んだ隣だし最悪だった。

　降り立った空港からホテルに着き、部屋で私は顔を真っ青にしてうなだれている。

　それをみた勇利は心配する。

「うん……ちょっとホテルで今日は休むことにするね」

　私は今日の練習見れなくてごめんねと勇利に謝罪するとゆっくり休んでと言われた。

「じゃあ勇利の練習終わったら連絡入れるね。一緒に夕飯食べよう」

　よしよしと私の頭を撫でる彼だが、第一にヴィクトルが私を連れてかなかったら、こうならなかったのではないかと思いムスッとすれば頬をつねられた。

「痛い！いたたたっ、痛いよ！」

　痛いと言えば頭に手をポンポンと置かれる。

　全くなんなんだ……はやく競技場に行けば良いのに。

　私は部屋のソファーから立ち上がり、無理矢理に行ってらっしゃい！と言いヴィクトルと勇利を部屋から出す。

　部屋の前でキャッキャするヴィクトルの声が聞こえなくなったと同時にベッドに雪崩れ込み目を閉じた。

　いつまで寝てたのだろうか、パッと手元にあったスマホのボタンを押して時間を確認する。

　まだヴィクトルからの連絡は来て居ないが、ホテルにいるのも勿体無いと思いホテルから出る準備を始めた。

「はぁぁ～本当、飛行機苦手な自分ダサすぎるよ……」

　そんな独り言を言ってホテルの自室を出た。

「中国と言えば何だー？出店？」

　こんなことならホテルで一度調べてから来ればよかったと後悔しながら街を闇雲に歩く。

　日本とは違うごちゃごちゃした光がジュエルボックスをひっくり返したようで街を歩いているだけでも楽しい。

　キョロキョロと街を歩いているとケータイが震える。

　着信相手はヴィクトルだ。

「はい。もしもしー？」

　元気に電話に出ると、元気そうだと皮肉に近いことを言われた。

「今から勇利と火鍋食べに行くからAも来るよね？」

「当たり前じゃん！競技場の近くに行けばいい？」

　なんて会話を終えて、ケータイをポケットに直すと私は急いで今来た道を戻ることにした。