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リンクの中心に立ち、勇利が静止すると時間を置いて音楽が流れ始める。
曲は温泉 on ICEで演技した愛について-eros-
以前からどれ程まで成長しているんだろう。
うは。美女の挑発が上手くなってる。
私は頬に手を当て、照れるポーズをする。
ステップも美しい完璧な美女だ！
……ジャンプもーー 綺麗だ。
あー本当、勇利はステップが流れる様で綺麗だなぁ〜
次は四回転だっけ、あっ！……っ、分かんないけど、転倒はしてないし回りきってる？
これでジャンプを決める事に気が行かないといいけど……
あは〜美女の仮面が落ちた女みたいな演技になってきてる……
きっとジャンプに気が行ってるんだよね。
最後はコンビネーションジャンプ……うーんなんか物足りない？
……表情が険しくなってるよ！美女は余裕があるように見せるもの、うーん。勿体無い。
演技終了かー スルスルとこちらに来る勇利に私は笑顔で拍手をする。
ヴィクトルは微妙な顔をしてる。
勇利にジャージを渡すとヴィクトルの説教が始まる。
私は勇利の曲目が入ったCDを持ってきてくれたお姉さんからCDを受け取っているので特に話しを聞いている訳ではないのだが、不意にヴィクトルに話しを振られた。
「Aはどう思った？」
「あはは、最初の方は良かったんだけど、最後の方は美女の仮面が落ちたカツ丼って感じだったかなー？」
苦笑いで答えると勇利はロボットの様に「はい」と返事した。
そう言っていると勇利の得点が出る。
非常に高い数値なのではないだろうか。
「よかったね。勇利」そう褒めながら私たちはリンク外に出る。
すると、そこにはインタビュアーが待ち構えていた。
なるべく、目立つからヴィクトルとは一緒にインタビューは受けたくないと館内ではヴィクトルを避けて来たのにこれでは避けられない。
早速インタビュアーが歓喜の声で高得点に対する感想を言っている。
私もスケートに関わってく身としてある程度知識を得たのだが、これは非常に高い数字だと思える。
そう思う私とは裏腹に「プレッシャーないなら100点台くらいいくと思ったー」とヴィクトルは笑って言っている。
そんな100点台を何回も出して何回も更新しているからそこ言える説得力のあるヴィクトルの発言に私と勇利は苦笑いしか出なかった。
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作者名：かなぁ | 作成日時：2016年11月25日 14時
