61 ページ12
夜にみんなで集まって勇利のグランプリシリーズアサイン決定報告会を始める。
西郡家が持ってきたクラッカーをパパンと鳴らせば集まった勇利の家族、西郡家、ミナコさんそして私とヴィクトルがパラパラと拍手をする。
「じゃあ出場する試合を説明するね」
前説は程々によろしくし、ヴィクトルが話を進める。
このヴィクトルの話に私、ついていける自信がないけどミナコさんに耳打ちして意味を聞けば良いかなど少しお気楽な自分がいる。
しかし、そこに助っ人スケオタ三姉妹が声を発する。
「その前に未だフィギュアスケートをよくわかってない勝生家とA為に簡単に説明するよ！」
これでいちいち話を区切ってミナコさんに迷惑かけなくて済む！
私は素直に「嬉しい〜！ありがとうー！」と感謝をする。
すると、素人の私にも非常に分かりやすく彼女たちは説明してくれる。
つまり勇利はこれから世界のどこかで二戦する事が確定していて、その成績次第でグランプリファイナル、野球で言う日本シリーズのような最終試合に出る事が可能と……
そして、勇利が出るのは中国大会、そこには親友もいるらしい。
そして二戦目はロシア……ユリオもそこに出場するとのこと。
ユリオもきっと成長しているのだろう……むしろ、勇利よりも幼い彼は伸びしろが大きくあるのではないかとも思う。
と言っても、私は日本で中継を見て応援することになるので、勇利の演技やユリオの成長はその目では見れないのは確実なのだけれど……
そう思っていると西郡家が勇利に要らない茶々を入れる。
「勇利がスケート界からヴィクトルを奪い取ったって思われそうだよな」
「世界中のスケートファンから恨まれてたりして！」
「そーだよ！専属の衣装デザイナーもいて豪華だー！」
世界中を敵に回してしまったような表情をする勇利に茶々を入れた優子さんはフォローを入れる。
「まぁまぁ、世界中から嫌われてもここにいる人と私は勇利の味方だから」
笑って私もフォローに入れば苦い顔で感謝の念を述べられた。
ミナコさんは中国まで足を運んで応援するようで、今から楽しみそうな顔を見せる。
時間的にはまだまだ先なのだが、こう日程が埋まって行くと気持ちが締まってくるものがあるなーと思っていたら、スケオタ三姉妹があることに気付く。
「あれ？ユーリ去年の全日本って……」
何か問題があるの？その業界を知らない私は彼女達の発言の続きを待つ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 195人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：かなぁ | 作成日時：2016年11月25日 14時
