【ユーリ!!!】短編集 (ページ5)

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英語ページ5

「Aちゃんって海外とか行ってたことあるの？」

　ヴィクトル不在の中、2人でたまたま海外ロケのバラエティ番組がかかってる時に他愛もない質問をされる。

「行ったことないー！行きたいんだよね！海外！」

　勇利くんはそういえば数年間海外生活だったんだっけ羨ましい。

「それにしてはAちゃん英語話せるよね？勉強してたの？」

　なんだそういうことか。

「勉強？してないしてない！おじいちゃんの工場(こうば)に昔、南米から来た人が居てねーそこで少し」

　その珍しさに勇利くんは話に食いついてくれる。

「南米の人はその人だけだったんだけど、韓国の人や中国から来た人もいたから、難しい話はできないけど旅行会話ぐらいならできるよ！」

「へー！なんか楽しそう！」

　バラエティ番組なんて無視してふたりで盛り上がり始める。

「そうそう、なんで英語だけはいっぱい話せるかっていうのは、その南米の人が私の家に住み込みで働いてて、ご飯とかも一緒だったんだ。」

　日常で接する事が1番多かったし、私も幼かったから好奇心でよく話しかけてたからかもねと笑って言う。

「そういう環境があったのかーだからペラペラなんだね」

「うん。……でも、その人、私のお父さんの金庫こじ開けてお金だけ取ってってどっか行っちゃったんだ……南米の家族に仕送りしてるって言ってて真面目な感じだったと思うんだけどね、」

　ひとは見かけによらないって事かなって笑って勇利くんに言えば、彼はドキッとした表情をする。

「……嘘、だよね？」

「うん。嘘だよ」

　ヘラっと嘘を言っていた私はそれにヘラっとそうだと返す。

「え？」

「だからー嘘だって」

　勇利くんの反応が面白くてケラケラ笑ってしまう。

「ええー！信じた僕がバカみたいじゃん！」

「あ、でもでも、仕事場に南米の人がいたのはホントだよ！」

　ケラケラ二人して騙されたー！などと会話して笑っていると、それを見つけたヴィクトルが会話に混ざりにこちらへやってくる。

「何を話してたの？」

「ふふ、私が英語を話せる理由についてだよ」

「へー！聞きたいな」

　ヴィクトルが勇利の横に座ったのを見計らって私は話をする。

「おじいちゃんの仕事場に南米から来た人がいて、その人は私の家に住み込みで働いてたのーー」