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君の好きなコト ページ4

「ところでAは野球好きだけど好きな選手とかはいるの?」

 夕食途中にいろいろな世間話の流れで私のことの話になった。

「いるよ!」

 私は好きなものの話ができると若干浮き足立った。

「現役だと一塁を守ってる選手がいるんだけど結構好きかな」

 好きな理由はあーだこーだと話している。

「現役だとってことは引退した選手で好きな人がいるってこと?」

 ヴィクトル、さすが鋭いなと思う。

「うん。6年前ぐらいに引退した選手なんだけどね、今でも大好きで私のナンバーワンなんだ」

 ほんとあの人はすごいんだよ。どこが?つて聞かれたら全部って言い返すぐらい、これは多分勇利でいうヴィクトルなんだろう。

「へーどこが好きなの?」

「全部!って言いたいんだけどあえて好きなところ上げるなら、体のバランスがきちんと取れてる、お手本のようなバッティングフォーム、きちんとした配球指示なにをとっても選手として不足がなくって、人としても愛想がいいから好き」

 さて、選手としてヴィクトルや勇利にはそれが出来てるかな?と思ったが言わない。

「フィギュアに比べたら野球選手は現役でできる時間が長いからまた別だけど、私の一生好きな選手は新しい選手が台頭してきたこと、そして自分の体力の衰えで引退したんだと思うけど、今はチームでコーチしてくれてるし私は彼が引退してでも、野球を嫌いにならずに好きでいてくれて自分のチームでコーチしてくれてる、それほど幸せなことはないよね」

 笑って言ってしまったけど、この発言は今シーズン休んでコーチをしているヴィクトルと現役がかかっている勇利に刺さりそうな発言だと話し終えてから反省した。

 選手は繊細だ。
 何がトリガーになってメンタルがボロボロになるか分からない。

 これからは選手としてのあり方とかを話すときは注意しよう。

 そう思い、お茶を濁すようにヴィクトルにお酒を注いであげた。

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作者名:かなぁ | 作成日時:2016年11月15日 14時

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