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スーパームーン ページ1

夜の暗い道、大きな月と星々がヴィクトルと私達の帰路を照らしている。

「今日は月が大きいね」

 ラーメンとビールを飲んで相当酔ってる私は月をご機嫌に指差して笑う。

「今日はスーパームーンなんだって」

「へー」

 話なんて聞いちゃいない私は適当に相槌を打ってヘラヘラ笑っている。

「あの月食べれそう」

「さっき食べたばかりなのにまだ食べれるの?」

 ヴィクトルは眉を下げて笑ってる。

 私はずっと笑いっぱなしだ。

 そんな話をしていたら、いつの間にかゆ〜とぴあの前だ。

「あはっ、ヴィクトルと話ししてたらもう着いたね」

 ヴィクトルは「そうだね」と優しくうなづいてくれる。

「ヴィクトルー!」

 玄関を開けようとすると後ろから勇利くんの声がするので後ろを向く。

「勇利ぃ!おかえり」

 走り込んだ帰りなのだろうか息が上がっている彼に私も「おかえり」と告げる。

 ただいまと言う彼に「今日は月が大きいね」と先程、ヴィクトルにした話を彼にもする。

「ああ、スーパームーンって言うみたい」

 ヴィクトルと同じ答えが返ってくる。さすが師弟関係。

「あ!勇利くん、写真撮って!」

 完全な酔っ払いの思い付きで勇利くんは私のケータイを受け取る。

「えっ、え?」

 そんな困惑してる彼に説明する。

「遠近法で月をつまんでるみたいな写真撮りたいの!」

 酔っ払いの無茶苦茶なジェスチャーと説明を理解してくれた勇利くんはケータイを構える。

「はいーじゃあ撮りますよー」

「あっ、待った!」

 思い付きで言ったので順番がグダグダしてる私はヴィクトルに話しかける。

「どうしたの?」

 腕組みしてたヴィクトルは優しく返事してくれる。

「だっこして」

「え?」

 そして先程、勇利くんにした説明を彼にもする。

「……仕方ないなぁ」

 笑ってヴィクトルは私を縦に抱えてくれた。

「これでいい?」

「いいよー」

 さぁ撮ってと言わんばかりに勇利くんに顔を向けると、腕の位置やヴィクトルの立ってる位置を散々指摘された。

「よし、じゃあ撮るよ!」

 私は満々の笑みを浮かべて写真に写った。



 翌朝、うっすらと目が覚めた私は時間の確認の為にスマホを持って目が覚めた。

「何これ……」

 そこには笑顔のヴィクトルに縦抱きされた私が笑顔で月をつまんでる写真が待ち受けになっていた。

「な、何も覚えてない……」

 しかし、ヴィクトルに迷惑かけたのがこの画像だけで伝わった。

キミの出身地→



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作者名:かなぁ | 作成日時:2016年11月15日 14時

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