44話 ページ47
『ささ、どうぞあがって』
デクとは別れて、Aの家に来た。
Aはすこしバタつきながら俺を歓迎してくれた。
懐かしいね、と笑っている。
『私の部屋行ってて。飲み物持ってくるから。』
「おう」
昔っから変わらない場所にあるAの部屋。
中に入ってみると、置いている物は昔とはちょっとずつ変わっていて 俺の知らない間にAが変わっていったのだと思うと 少し寂しさを感じた。
俺には縁遠い可愛らしい色が使われていて、落ち着かず戸惑っていると
『ふふ、座って待ってれば良いのに。どうしたの？何かを気になるものでもあった？』
Aはそう言って ふたつのコップをテーブルに置き、ベッドに腰掛けた。
そして 私の隣に座れとでも言うように、ポンポンとベッドを叩く。
素直にAの隣に座った。
『……懐かしいね。勝己が私の家に遊びに来たのって何年ぶりくらい？』
「…6年ぶりくらいじゃね」
『そんな経ってるのかぁ〜』
「……Aが最後に俺の家に来たのは小6の夏休みん時。」
『そうだっけ…？よく覚えてるね。』
「勉強教えてって、わざわざ俺のとこ来たんだよ。そん時 仲良くなかったのに。」
そうだ。
仲良くできなかったんだ。
デクが無個性だって分かってから、Aが無個性だって分かってから。
Aのことは俺が守る！って 小さいながらに思ってたし、俺の力なら守れるって考えてたのに Aは何かとデクのことばっか構うし。
まぁ今思えば嫉妬やらなんやらだったのかもな。
今もそうだけど。
俺が勝手にAが好きで、勝手に距離とって、Aに対して嫌な態度とかもたくさんしたのに、こうやって今は当たり前のように接してくれるのが俺にとっては嬉しすぎて、
『……勝己？どうしたの、ぼーっとしてるけど』
「…なんでもねぇ。」
ほら、そうやって心配そうに覗き込んでくる。
昔からずっと変わらない、守りたいという気持ち。
やっぱり、俺はAが好きなんだ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 788人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
しーの - ふひゃっ、すっごく久しぶりに見返したらぁめっちゃ面白いです〜♡きゅんきゅんが止まりませんっ♡ (2021年10月5日 13時) (
レス) id: 4c9a775ca1 (このIDを非表示/違反報告)
GUMI(プロフ) - いつも更新待ってます！！とっても面白いです！！(*´▽｀*) (2018年4月30日 0時) (レス) id: 545b7db7f6 (このIDを非表示/違反報告)
カナ - めっちゃおもしろい！ デクくん、かわいい！続編、待ってます！ (2018年4月23日 23時) (レス) id: 28880c114b (このIDを非表示/違反報告)
りっちゃんナウ(プロフ) - めっちゃ面白い！! これからも更新頑張ってくださぃぃぃ PS.死柄木さんとの絡みがみたい´∀`*)b (2018年4月23日 0時) (レス) id: e9d2eacd49 (このIDを非表示/違反報告)
R(プロフ) - めっちゃ面白いです！楽しみにしてます！ (2018年4月22日 17時) (レス) id: 8114bf9979 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：なごみ | 作成日時：2018年4月20日 5時
