誠士郎の生態の巻 ページ7
『わ...』
いつもなら身構えていたのに、今日は反応が遅れた。
しがみつくものがなくて、目の前の誠士郎くんの腰に
咄嗟にしがみついてしまう。
「...姉さん大丈夫?」
『あ、すいません...退きます』
「ん、いいよそのまんまで。」
ぐっと肩を力強く抱いてくれて
いつものように潰されずに電車で移動ができた。
誠士郎くんは私の最寄りからさらに乗り換えしないといけないので、彼に手を振って学校へ行く。
弟ってこんな感じなのかな。兄弟がいたことないからわからないけど、一緒に登校したりご飯食べたり少しくすぐったいけど悪くはないな、と誠士郎くんの大きい背中を見送った。
◆
キーンコーンと放課の合図が聞こえる。
適当に教科書を詰め込んで鞄を背負った。
玄関に来ると何やらザワザワと騒がしい。
『(なんだろう...)』
「え、じゃあ凪くん白宝の2年生なんだ」
「うんそー」
「可愛い〜背高いんだね」
「あんま触んないで」
「ええー冷たー、あ、じゃあさ誠士郎って呼んでもいい?」
「だめ」
校門ら辺にいるのは我が義弟の誠士郎くんと
クラスメイトのギャルたち。
ベタベタと遠慮なく誠士郎くんに触っている。
なんで誠士郎くんがうちの学校に?
と言う疑問はさておいてぽつぽつと校門まで歩いて行くと
誠士郎くんがギャルたちを振り切ってこちらに歩いてくる。
「姉さん」
『誠士郎くん。なぜここに?』
「帰りも俺がいた方がいいかなって」
耳と尻尾が見える気がする。
善意100%のお誘いだが、彼の後ろ側に見えるギャルたちの表情は穏やかではない。
『ありがとうございます。けれど、ここ一応女子校なので
次からは駅で待っててもらえると助かります。』
「む、分かった」
素直に頷いた彼に私もにっこりと微笑んだ。
じゃ、いこっかと私の手を取った誠士郎くんの
距離感は少し気になったけれどやっぱり甘えているのだろうなと思って特に言及しなかった。
◆
誠士郎くんがきて、数日が過ぎた。
最近では凪さんと呼ばれることにも抵抗がなくなって
日常生活をすんなりと送れている。
『ん、...』
「おはよう、姉さん」
『おはよう』
あいもかわらず勝手に部屋に入ってくる誠士郎くん。
ここ数日で分かったことがあるのだが
誠士郎くんはあまり自分の顔面の良さを自覚していない。
あとは、よく寝てよく食べる。
めんどくさいことは嫌いで、勉強ができる。
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きゅんた(プロフ) - 玉子ぷりんさん» 初期から読んでいただいてありがとうございました♡ヒロインも誠士郎くんもきっと玉子ぷりんさんに感謝していると思います(^^)♡色々な作品書いているのでぜひ読んでみてください(^^)♡応援ありがとうございます! (6月4日 19時) (レス) id: 7cf9bc3205 (このIDを非表示/違反報告)
玉子ぷりん - 完結おめでとうございます!久しぶりに占ツクにきたら完結していて、寂しかったけどハッピーエンドで嬉しかったです!凪(誠士郎くん)がもっと好きになりました!次回作も楽しみです!これからも応援してます! (6月3日 22時) (レス) @page43 id: 07e67c9327 (このIDを非表示/違反報告)
きゅんた(プロフ) - 甘野さん» 誠士郎くんグイグイですよね(^^)♡応援ありがとうございます〜更新頑張ります!♡ (5月9日 10時) (レス) id: 7cf9bc3205 (このIDを非表示/違反報告)
甘野(プロフ) - 更新有難うございます ..!設定が神すぎてずっとにやにやしながら見ちゃってます(笑)それにしても凪くん(誠士郎くん?笑)グイグイ来てて凄いどきどきしてます〜♡素敵な作品をありがとうございます!これからも応援してます🎶作者様のペースで頑張って下さい! (2023年5月6日 17時) (レス) @page9 id: b338b8448c (このIDを非表示/違反報告)
きゅんた(プロフ) - 玉子ぷりんさん» 凪くんならこれだなって妄想が膨らんじゃいました...! (2023年5月4日 2時) (レス) id: 7cf9bc3205 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きゅんた | 作成日時:2023年4月29日 20時