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いままでありがとうございましたの巻 ページ39

『あとこれ、記入お願いします。』


2人の前に差し出したのは
「退学届」と仰々しく書かれた紙。
私の突然の申し出に、2人は一瞬固まって苦い顔をした。


「Aちゃん、これはどう言う...」

『大学には進学しません。この家も出て自分で生活する事にしました。』

「なっ...あなた、自分がなに言ってるか分かってーー
『分かってるよ、ママ。』」


ママの言葉を遮って私は頷いた。
パパは腕を組むと、少し考えたような素振りを見せて
口を開いた。


「誠士郎と、一緒にいるためだね?」

『はい。2人の扶養から抜けて
私は自力で生活しようと思います。』

「そうまでして、誠士郎と一緒にいたいのかい?」


パパの言葉を聞いて、私はこくりと頷いた。
覚悟は決まっている。そのために私はとある手を打っていた。


静寂がリビングを包む。私は制服の端をぎゅっと握って
彼らのアンサーを待った。
価値は他人が決めるもの。これは私の意思表示だ。
そんなことを心に刻みながら。


「...分かった。
ただし、こちらからの金銭的支援は一切しない。
君は荷物をまとめるなりなんなりして、1週間後には
家を出て行くこと。退学届は記入しておこう。」

『ありがとうございます、パパ』

「ちょっとパパ!」

「今まで君のことをおとなしい子だと思っていたんだけど、
そんな君がここまで覚悟を見せたんだ。
僕は彼女に価値を感じた。Aちゃんがここまで言い切るのだから、きっと何か手は打っているんだろう。

もう成人なのだから僕達が反対したところで親の同意というものは必要な歳ではないからきっと押し切ってしまう。

僕たちがしてあげられることは彼女の言うことを
素直に受け入れるしかないんだよ。」


ママをそう宥めるパパ。
ママは泣きそうな顔になりながら私に向かうと
小さな声を振り絞る。


「そんなに、そんなにママのこと嫌だった...?
ママ、ちゃんと子育てできてなかったかな。
結構、私なりに頑張ったんだけどなあ...」


そんな彼女に心が痛まない訳ではない。
私は被りを振る。


『ここまで育ててくれたこと、感謝してる。
けれど、ママ。私はママの子供ではあるけれど
決してママの分身ではないの。私はこの道を選ぼうと思う。

許さなくていい。私もきっと許せないまま
どこかで昇華して行くんだと思う。

私とママは似ているから...


いままで、本当にお世話になりました。』

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設定タグ:ブルーロック , 凪誠士郎 , 青い監獄   
作品ジャンル:恋愛
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きゅんた(プロフ) - 玉子ぷりんさん» 初期から読んでいただいてありがとうございました♡ヒロインも誠士郎くんもきっと玉子ぷりんさんに感謝していると思います(^^)♡色々な作品書いているのでぜひ読んでみてください(^^)♡応援ありがとうございます! (6月4日 19時) (レス) id: 7cf9bc3205 (このIDを非表示/違反報告)
玉子ぷりん - 完結おめでとうございます!久しぶりに占ツクにきたら完結していて、寂しかったけどハッピーエンドで嬉しかったです!凪(誠士郎くん)がもっと好きになりました!次回作も楽しみです!これからも応援してます! (6月3日 22時) (レス) @page43 id: 07e67c9327 (このIDを非表示/違反報告)
きゅんた(プロフ) - 甘野さん» 誠士郎くんグイグイですよね(^^)♡応援ありがとうございます〜更新頑張ります!♡ (5月9日 10時) (レス) id: 7cf9bc3205 (このIDを非表示/違反報告)
甘野(プロフ) - 更新有難うございます ..!設定が神すぎてずっとにやにやしながら見ちゃってます(笑)それにしても凪くん(誠士郎くん?笑)グイグイ来てて凄いどきどきしてます〜♡素敵な作品をありがとうございます!これからも応援してます🎶作者様のペースで頑張って下さい! (2023年5月6日 17時) (レス) @page9 id: b338b8448c (このIDを非表示/違反報告)
きゅんた(プロフ) - 玉子ぷりんさん» 凪くんならこれだなって妄想が膨らんじゃいました...! (2023年5月4日 2時) (レス) id: 7cf9bc3205 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:きゅんた | 作成日時:2023年4月29日 20時

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