休み時間の一コマの巻 ページ25
この目は私の自尊心をひどく傷つける。
なんだか、居心地が悪くなってきたので席を立とうとすると
玲王くんは私の手首を握って目配せをした。
「ま、似てねえけど俺の友達だからさ
勝手わかんねえだろうからなんかあったら助けてやって、な?」
玲王くんの言葉を聞いて女の子たちは顔を見合わせた後に、
「まあ、レオの頼みなら」とだけ言ってすごすご自分の席に戻って行った。
すごい、人心掌握が完璧すぎる。
彼は尊敬するところがたくさんある。
『玲王くん、ありがとうございます。
このままだと3日間針の筵になるところでした』
「言い過ぎだって!
ま、凪からも頼まれててさ、Aはあんま友達作んの
上手くねえからなんとかしてくれって」
『誠士郎くんが?』
おう、と笑った玲王くんの短い眉毛見つめたところで
始業を意味するチャイムが鳴った。
◆
授業は3年の私からしてみれば去年の内容が多かったけれど、やはり先生が一流だ。とても分かり易い。
有意義な時間を過ごせた私は
ほくほくとした気持ちを抱えながら廊下を歩いた。
白宝高校は流石の大きさで、
生徒はみんな選ばれた上澄みの集まりって感じだ。
みんなが自信に満ち溢れていて各々の歩みを進めている。
誠士郎くんはここで学生生活を送っているんだなあ、と
何だかしみじみしちゃって空いている窓から外を眺めた。
風が心地いい。
突然ぶわっと強い風が吹いてきて、
薄ら目を細めた。目までかかった前髪が一気に開放的になる。肩甲骨より下まで伸びた色素の薄い栗色の髪が空中に靡くのを、誰かの手が押さえてくれた。
『!誠士郎くん』
「今日こんな風強かったんだね。
ランチの時間だしどっかで食べよ。」
誠士郎くんも僅かに前髪が上がっていて
私はそれを見てくすくすとわらう。
「むー、なに」
『誠士郎くんも前髪あがっちゃってます』
「じゃあ姉さんとお揃いだね」
『そうですね』
この時、面のいい2人が廊下でする優雅な談笑に
周りの人たちは目を奪われたとか、奪われてないとか。
「なんかスッゲー美人とイケメンが廊下で笑い合ってた」
「あ?なに?漫画の話?御影の話?」
「どっちもちげーよ。リア充が、クソ」
◆
風が穏やかになりつつあったので屋上で
ママのお弁当を食べることにした。
誠士郎くんはここ、と胡座をかいた自身の太ももあたりを
叩いて私を誘導した。そこに座れと、そういうことですね。
ちょっと遠慮がちに座らせてもらった硬い椅子。
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きゅんた(プロフ) - 玉子ぷりんさん» 初期から読んでいただいてありがとうございました♡ヒロインも誠士郎くんもきっと玉子ぷりんさんに感謝していると思います(^^)♡色々な作品書いているのでぜひ読んでみてください(^^)♡応援ありがとうございます! (6月4日 19時) (レス) id: 7cf9bc3205 (このIDを非表示/違反報告)
玉子ぷりん - 完結おめでとうございます!久しぶりに占ツクにきたら完結していて、寂しかったけどハッピーエンドで嬉しかったです!凪(誠士郎くん)がもっと好きになりました!次回作も楽しみです!これからも応援してます! (6月3日 22時) (レス) @page43 id: 07e67c9327 (このIDを非表示/違反報告)
きゅんた(プロフ) - 甘野さん» 誠士郎くんグイグイですよね(^^)♡応援ありがとうございます〜更新頑張ります!♡ (5月9日 10時) (レス) id: 7cf9bc3205 (このIDを非表示/違反報告)
甘野(プロフ) - 更新有難うございます ..!設定が神すぎてずっとにやにやしながら見ちゃってます(笑)それにしても凪くん(誠士郎くん?笑)グイグイ来てて凄いどきどきしてます〜♡素敵な作品をありがとうございます!これからも応援してます🎶作者様のペースで頑張って下さい! (2023年5月6日 17時) (レス) @page9 id: b338b8448c (このIDを非表示/違反報告)
きゅんた(プロフ) - 玉子ぷりんさん» 凪くんならこれだなって妄想が膨らんじゃいました...! (2023年5月4日 2時) (レス) id: 7cf9bc3205 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きゅんた | 作成日時:2023年4月29日 20時