クラス同じですねの巻 ページ24
話題の中心になるのは何だか慣れない。
俯きがちに校門を潜ると、後ろから玲王くんが背中を叩いてくる。
「姉ちゃんさー」
『ひぇ!はい!』
「顔あげたほうがいいぜ。せっかく美人なんだし」
...神?
何だかもうわけわからないくらい
いい人すぎて玲王くんを疑ってしまう自分が情けない。
なんか後からお金強請られたりするのかな。
いやけど、玲王くんお金に困ってないしな...
やはり余裕のある人間はすごいのだ。
人に優しくできてしまう。
年下感もぜんぜんないし、堂々としていてすごい。
誠士郎くんはすこし面白くなさそうな顔をしていて
それを見た玲王くんがニヒルに笑った。
「姉さんはこれでいいんだよ
変なこと吹き込まないで、レオ」
「はいはい、愛しのねーちゃん取られたくないからって
拗ねんなよ」
...仲良いなあ。
彼らの学生生活を垣間見ることができて私も少し頬が緩んだ。そして、そんな私たちの様子をもっと面白くない胸中の人がいたのをこの時の私は気づいてはいなかった。
「...そろそろ、潮時かなあ」
そんな呟きも。
◆
誠士郎くんと玲王くんと別れて
指定された教室に着いた私はある程度の合同研修の
流れをオリエンテーションと題した時間で把握した。
私のクラスは玲王くんと同じらしい。
誠士郎くんと玲王くんはクラス違うんだ。初めて知った。
ちなみに内永さんと誠士郎くんはクラスが同じだと言っていた。大丈夫だろうか。
「お、姉ちゃん!クラス同じだな!こっち座れよ!」
クラスに入ってもだいぶ目立つ玲王くんが
自分の席の横を指差すので私は居た堪れなくなりながらも
彼の善意を無碍にすることができなかった。
『れ、玲王くん。学校で姉ちゃんは誤解されます!』
「ん?そか、じゃあAだな。」
『助かります』
陽キャすぎる。
なんだか母を思い出すが、玲王くんはこう、押し付けがましくないのがありがたい。決して優しそうではないのに
そう思わせない独特な魅力のある人だ。
私たちが親しげな様子なのでクラスの女の子たちは
玲王くんの傍に来ると、私を一瞥する。
「レオー♡」
「ん?」
「この人、旭女の人よね?何で知り合いなの?」
「凪の姉ちゃんだよ、前見舞い行った時に顔見知りになったんだ」
「へ、へー。凪って最近よく一緒にいる背の高い人?
お姉さんって割にはなんか全然似てないね」
でた。品定めをする目だ。
玲王くんは人気者なのだろう。
格別構われてる私が気に入らないって目。
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きゅんた(プロフ) - 玉子ぷりんさん» 初期から読んでいただいてありがとうございました♡ヒロインも誠士郎くんもきっと玉子ぷりんさんに感謝していると思います(^^)♡色々な作品書いているのでぜひ読んでみてください(^^)♡応援ありがとうございます! (6月4日 19時) (レス) id: 7cf9bc3205 (このIDを非表示/違反報告)
玉子ぷりん - 完結おめでとうございます!久しぶりに占ツクにきたら完結していて、寂しかったけどハッピーエンドで嬉しかったです!凪(誠士郎くん)がもっと好きになりました!次回作も楽しみです!これからも応援してます! (6月3日 22時) (レス) @page43 id: 07e67c9327 (このIDを非表示/違反報告)
きゅんた(プロフ) - 甘野さん» 誠士郎くんグイグイですよね(^^)♡応援ありがとうございます〜更新頑張ります!♡ (5月9日 10時) (レス) id: 7cf9bc3205 (このIDを非表示/違反報告)
甘野(プロフ) - 更新有難うございます ..!設定が神すぎてずっとにやにやしながら見ちゃってます(笑)それにしても凪くん(誠士郎くん?笑)グイグイ来てて凄いどきどきしてます〜♡素敵な作品をありがとうございます!これからも応援してます🎶作者様のペースで頑張って下さい! (2023年5月6日 17時) (レス) @page9 id: b338b8448c (このIDを非表示/違反報告)
きゅんた(プロフ) - 玉子ぷりんさん» 凪くんならこれだなって妄想が膨らんじゃいました...! (2023年5月4日 2時) (レス) id: 7cf9bc3205 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きゅんた | 作成日時:2023年4月29日 20時