うどんとそば ページ20
「違うのか」
「違うよ！！」
しょぼん、と効果音が聞こえてきそうなほど分かりやすくがっかりする轟。
しかしすぐ顔を上げる。
「別に家事をお前だけにさせるつもりじゃねえ。蕎麦なら得意だし、カレーうどんの作り方も頑張って覚える」
「結婚しないから覚えなくていいんだって」
「洗濯もするぞ？」
「そっ…れは助かるけど…いや結婚しないよ！？」
率先して洗濯をしてくれるなんて、カレーうどんを100回食べれば99回は服に染みを作る私には確かに魅力的な話だ。
でも私だって洗濯できるかできないかだけで将来の伴侶を選ぶほどマヌケじゃない。
「お前は一生俺の隣にいて、ざるそばとカレーうどんを作ってくれればそれでいい」
「全然ロマンチックじゃねぇなそれ」
少女漫画のイケメンみたいな綺麗な顔で、そんな訳の分からない台詞を吐きやがって。
轟はスッと指を3本立ててみせた。
「週に3回までならカレーうどんでいい」
「なんっで週3！？そこは週4でしょ！？妥協してよ！！」
「ざるそばが週4だ。それだけは譲れない…！」
「ならこの話はお終いだ！！」
空になった皿を持って席を立つ。
これ以上求婚され続けたら恥ずかしくてたまらない。
「A、ちょっと待て」
「待たない」
「口の周りにカレーついてるぞ」
轟はそう言って立ち上がり、ティッシュを持った手を伸ばして私の口元をそっと拭った。
「よし、綺麗になった」
「…あ、ああ、うん、アリガト…」
なんか今の新婚さんみたい、なんて思ってしまったことは墓場まで持っていきたい秘密だ。
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なぎさ(プロフ) - てのーるさん» 初めまして、コメントありがとうございます！そう言っていただけて本当に嬉しいです！本作をお読みくださりありがとうございました！ (2018年10月21日 11時) (
レス) id: 2a6bd4d84b (このIDを非表示/違反報告)
てのーる - 全体がとても良くまとまったストーリー構成で、見ていて気持ちのいい物語でした！ これからもご自愛の上、執筆活動を頑張ってください^^ (2018年10月21日 2時) (レス) id: e945a347a3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なぎさ | 作成日時：2018年8月17日 0時
