おいしいね ページ19
カレーうどんの前に一度座ったら、食べ終わるまで立ち上がるわけにはいかない。
という己が信条に背くことはできず、私は諦めていただきます、と手を合わせた。
「Aはカレーうどんが好きなのか？」
「いや？好きってより、カレーうどんによって生かされているって感じ」
「…ずいぶん好きなんだな」
轟は感心したようにそう言った。
でも轟だって、たまに会うと必ずと言っていいほど蕎麦を食べている気がする。
「轟にとっての蕎麦が私にとってのカレーうどん」
「なるほど。なくなったら死ぬのか」
「そういうことだ」
やっぱりコイツよく分かってるな。
気まずかったのも忘れて私は上機嫌で語り出す。
「卒業して1人暮らし始めたら、絶対1日1カレーうどんって決めてるから」
「献立を決める時間が省けていいな」
「轟こそ、毎日ご飯作るのラクそう。蕎麦茹でればいいだけだもん」
「ラクそうか？それは良かった」
轟は心なしか嬉しそうな顔をした。
「これで心置きなく結婚できるな」
「なんで！？！？！？！？！？」
「今のは、飯を作るのがラクそうだから俺と結婚したいって意味じゃねえのか？」
「そういう意味じゃない！！」
突如投下された爆弾にビックリである。
おかげでつい大声を上げてしまった。
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なぎさ(プロフ) - てのーるさん» 初めまして、コメントありがとうございます！そう言っていただけて本当に嬉しいです！本作をお読みくださりありがとうございました！ (2018年10月21日 11時) (
レス) id: 2a6bd4d84b (このIDを非表示/違反報告)
てのーる - 全体がとても良くまとまったストーリー構成で、見ていて気持ちのいい物語でした！ これからもご自愛の上、執筆活動を頑張ってください^^ (2018年10月21日 2時) (レス) id: e945a347a3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なぎさ | 作成日時：2018年8月17日 0時
