意味 ページ33
月曜日が来た。
渾身の洗濯によって今日も白さを保っているシャツに袖を通し、寮を出て学校に向かう。
「お、A」
通学路の途中で出会ったのは轟だった。
「轟、おはよう」
「ああ。奇遇だな」
私たちは並んで歩き出した。
特に話さなければいけないこともないので黙っていたら、轟が自ら口を開く。
「なあ」
「んー？」
「話したいことがあるんだが」
「いいよ。何？」
轟は立ち止まって私を見た。
いつもの無表情とはどこか違う。これは轟が柄にもなく緊張しているときの顔だ。
左右で色の違うその両目は朝日を受けて、よく晴れた日の湖みたいに煌めいていた。
「A。お前のことが好きだ。まだ早えのかもしれねえが、結婚してほしいくらいに。
だから、俺と付き合ってくれ」
.
.
.
「轟って重いよね。まだ高1なのに結婚とか言うしさ」
「…重いのは嫌か？」
「ううん。…そういう意味じゃない」
嬉しくて顔がどんどん熱くなるのも、自然と笑みがこぼれてしまうのも止められなかった。
私は。私は、
「私も轟が好き。
だから、よろしくお願いします」
.
(終わり)
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なぎさ(プロフ) - てのーるさん» 初めまして、コメントありがとうございます！そう言っていただけて本当に嬉しいです！本作をお読みくださりありがとうございました！ (2018年10月21日 11時) (
レス) id: 2a6bd4d84b (このIDを非表示/違反報告)
てのーる - 全体がとても良くまとまったストーリー構成で、見ていて気持ちのいい物語でした！ これからもご自愛の上、執筆活動を頑張ってください^^ (2018年10月21日 2時) (レス) id: e945a347a3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なぎさ | 作成日時：2018年8月17日 0時
