またかよ ページ25
「…えっと」
「お、奇遇だな」
次の日、偶然にも轟とばったり会ってしまった。
.
どうしてこうなった。
ええと確か2週間くらい前に図書館で借りた本の返却期限が今日までで、返さなきゃって思って寮を出てきて、図書館に着いて本を返そうと返却カウンターまで行ったら隣の貸出カウンターに轟が並んでいて、あれっなんか学校の食堂でも同じようなことがあったような
いやそんなことはどうでもいい。
とりあえず私は、昨日の電話のせいで轟に対して一方的に気まずいのだ。
ここはどうにかして軽く挨拶する程度にとどめてさっさと寮に帰らなければ、気まずさと緊張で死んでしまう。
まず笑顔。そんでサラッと挨拶してサラッと回れ右だ。
何より図書館ではお静かに。その点は私も轟も心得ている。私はできる限りの小声で言った。
「…あ〜轟じゃん。おはよ」
「おう。おはようA」
「じゃ、私はこれで」
「その本、返しに来たんじゃねえのか？」
その通りです。
「そ…うだったわ〜ど忘れしてた〜んじゃまあ私これ返さなきゃいけないから、じゃあね！」
「Aはうっかりさんなんだな」
「ウッ…！？」
うっかりさんだと…！？
そんな言葉が轟の口から…！！
私も使ったことはあるけど、もちろんふざけて言っただけだし、私が言うのとイケメンが言うのとではまるで違う。
轟の綺麗な顔面と『うっかりさん』のコンビネーションは危険だ。殺傷能力が極めて高い。
頑張れ、正気を保て私。
「可愛いところもあるんだな」
「ぐは…！！！！！！！！！！！！！！！」
完全にトドメの一撃。
蚊の鳴くような声で呻いた私は両足で自分の身体を支えるのに必死だった。
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なぎさ(プロフ) - てのーるさん» 初めまして、コメントありがとうございます！そう言っていただけて本当に嬉しいです！本作をお読みくださりありがとうございました！ (2018年10月21日 11時) (
レス) id: 2a6bd4d84b (このIDを非表示/違反報告)
てのーる - 全体がとても良くまとまったストーリー構成で、見ていて気持ちのいい物語でした！ これからもご自愛の上、執筆活動を頑張ってください^^ (2018年10月21日 2時) (レス) id: e945a347a3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なぎさ | 作成日時：2018年8月17日 0時
