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タダノブカツ【月島蛍】 ページ6
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『タダノブカツさん実在しました』
私のスマホがそんなメッセージを受け取ったのは、眠れない夜のことだった。
差出人には『月島蛍』の名前。一瞬誰かと思ったがすぐに思い出した、烏野高校の男子バレー部だった子だ。あのメガネの、ひとつ歳下の。
しかし彼のことは思い出せてもタダノブカツさんのほうには覚えがない。一体何の話をしているのか。
少し考えてから、返信する。
『いや誰その人』
時間が経つにつれてじわじわと笑いがこみあげてきて、私はトーク画面を見ながらひとりで笑い声を漏らした。ほんとタダノブカツ誰だよ。ああ可笑しい。
そうしてニマニマしているうちに、私が返したメッセージの下に現れる既読の文字。
かと思ったらトーク画面が着信画面に切り替わった。
電話をかけてきたのはもちろん月島くんである。
「はい、もしもし」
《っ…もしもし?》
電話口からは明らかに笑いを噛み殺した声が聞こえてきて、私はたまらず噴き出した。
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作者名:なぎさ | 作成日時:2018年9月23日 18時