6冊目 ページ6
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部活からの帰り道、書店に寄った。
宮本が昼休みに話してくれた小説を買うために。
その本は、成人男性の夏の話らしい。
彼は
妻の友人に会ったり、その夫に会ったり、その男が家出したり、2人して離婚の危機に
流れるような文章がいかにも夏らしく、時に気怠げな会話文の人間くささが魅力的な小説だと、彼女は言った。
家に帰ってから早速読んでみた。
もちろん、俺には彼女の言うようなことはよくわからない。
でもなかなか面白かった。
2時間ほどで読み終わり、溜め息を吐いた。
彼女が好きだと言っていた本は、俺にとっても面白い本だった。
これはつまり趣味が合うということだ。
些細なことで浮かれだす心を抑えるように本を閉じた。
ふと思う。
宮本はこの本を、1週間くらいかけて読んでいる。俺は彼女をずっと見ていたから知っているのだ。(気持ち悪い)
彼女は本を丁寧に読む。
またひとつ、好きになった。
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なぎさ(プロフ) - TONSOKUさん» もったいないお言葉、とても嬉しいです。お楽しみいただけたようで幸いです!改めまして、お読みくださりありがとうございました! (2018年8月24日 12時) (レス) id: 2a6bd4d84b (このIDを非表示/違反報告)
TONSOKU - 文章が凄く綺麗でまるで純文学を読んでいるみたいでした。それに赤葦の不器用な所を上手く表していて私が読んだ夢小説の中で1番と言っても過言じゃないぐらい面白かったです。 (2018年8月24日 9時) (レス) id: 087e18e87d (このIDを非表示/違反報告)
なぎさ(プロフ) - 出水先輩らぶさん» こちらこそ、ここまでお読みいただき本当にありがとうございました。そう言っていただけてとても嬉しいです! (2015年11月21日 20時) (レス) id: ce366c9443 (このIDを非表示/違反報告)
出水先輩らぶ(プロフ) - お話すごくおもしろかったです。君の好きな本はすごく好きな曲でして。それが大好きな赤葦の話とかすごく嬉しいです!書いてくれてありがとうございます (2015年11月21日 9時) (レス) id: fe98712c3d (このIDを非表示/違反報告)
なぎさ(プロフ) - ほわいとましゅまろさん» こちらこそ、ここまで読んでいただき本当にありがとうございました。素敵で最高なんて言っていただけて幸せです! (2015年11月13日 16時) (レス) id: ce366c9443 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:なぎさ | 作成日時:2015年10月29日 17時