26冊目 ページ26
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「もーお前告っちゃえば?」
「は? いや、えっ?」
「絶対向こうもちょっと意識してるってー」
こいつ。ついに適当なこと言い出しやがって。そんなに上手くいくわけないだろ。
「なんだよ雨宮。もう面倒になった?」
「そんなんじゃねーよ」
絶対イケる! とごり押ししてくる。
「そうかな…」
「そうだよ。だってお前、思い出してみ? 今まで何があった?」
そう言われて今までの出来事を思い起こす。えっと確か…
「転んだ時に心配してくれた」
「他は?」
「読んでた本の内容を説明してくれた」
「他は?」
「読んだ小説について話をした」
「他は?」
「また感想聞かせてほしいって言われた」
「他は?」
「家の電話番号教えてもらった」
「他は?」
「本屋で5時間くらいおすすめの本について語ってくれた」
「他は?」
「同じ本買った時にお揃いだねって笑顔で言われた」
「他は?」
「土曜はありがとう楽しかったって言ってくれた」
「気づいたことは?」
「えっ」
雨宮は大きく息を吸い込んで、大胆に、しかし小さな声で宣言する。
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「お前ら、仲良し」
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なぎさ(プロフ) - TONSOKUさん» もったいないお言葉、とても嬉しいです。お楽しみいただけたようで幸いです!改めまして、お読みくださりありがとうございました! (2018年8月24日 12時) (レス) id: 2a6bd4d84b (このIDを非表示/違反報告)
TONSOKU - 文章が凄く綺麗でまるで純文学を読んでいるみたいでした。それに赤葦の不器用な所を上手く表していて私が読んだ夢小説の中で1番と言っても過言じゃないぐらい面白かったです。 (2018年8月24日 9時) (レス) id: 087e18e87d (このIDを非表示/違反報告)
なぎさ(プロフ) - 出水先輩らぶさん» こちらこそ、ここまでお読みいただき本当にありがとうございました。そう言っていただけてとても嬉しいです! (2015年11月21日 20時) (レス) id: ce366c9443 (このIDを非表示/違反報告)
出水先輩らぶ(プロフ) - お話すごくおもしろかったです。君の好きな本はすごく好きな曲でして。それが大好きな赤葦の話とかすごく嬉しいです!書いてくれてありがとうございます (2015年11月21日 9時) (レス) id: fe98712c3d (このIDを非表示/違反報告)
なぎさ(プロフ) - ほわいとましゅまろさん» こちらこそ、ここまで読んでいただき本当にありがとうございました。素敵で最高なんて言っていただけて幸せです! (2015年11月13日 16時) (レス) id: ce366c9443 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:なぎさ | 作成日時:2015年10月29日 17時