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｢ごきげんよう、お嬢さん｣
聞き慣れた声に思わず振り向くといつもとはまた違う身なりの幼馴染が少しイラついて
｢俺のツレがどうかしましたか？｣
｢…あぁ、貴方も海賊なのですね。お強そうだ｣
｢そのレディになんかあったのかって聞いてるんだよ｣
タバコを吹かして無理やり手を握ってサンジの方へ引っ張られる
｢……美しいお嬢さんと話すのに、理由は要りますか？｣
｢要らねぇなぁ。だがコイツは…ダメだ｣
失礼したなと手を引いて歩き出しちゃう幼馴染に私は少しクスッと笑っちゃって
｢…どうした？サンジさんよ｣
｢……っあぁもう！今こっち向くんじゃねぇ！情けない面見せたくねェんだよ｣
耳まで真っ赤にして歩いていて行く幼馴染の手は暖かくて
｢……ごめんな｣
｢何が｣
｢元々女らしさの欠片もない私がさ、あんな場所でお嬢さんだのお美しいだの言われるのは慣れてなくてな
……ナンパってあんな感じなのかな｣
そう呟くとサンジは足を止めて振り向く。まだ少し顔赤いけど、そっと手の甲にキスを落として
｢……っ！？｣
｢お美しいレディ。今しばらくは騎士と共に居て貰えませんか？｣
｢……うぅ｣
ニヤって口角を上げる幼馴染に私は白旗を上げて
｢……分かったよ、ナイト様｣
｢かっわいい反応しちゃってまぁ｣
｢蹴り飛ばすぞてめぇ｣
いつもと違う雰囲気醸し出してるから、目を見れないわドギマギするわ……
｢ユリア？｣
｢っ、あ？｣
｢……終わったらでいいから、隣に居て？｣
んな甘い言葉なんて他の奴らならお断りなのに…コイツだからこそ
｢……それで、アンタの怒りが静まるなら｣
｢それはどうでしょうな？｣
｢この野郎｣
許せてしまうのだ。正装には慣れてるくせに、ドキドキしてしまうの
女の正装には慣れていないのだ→←男の正装にはもう見慣れたけれど
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