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晩飯後の後片付けが終わった後。ようやくゆったり出来る時間になった
｢……｣
｢ユリア｣
隣に座って名前を呼ぶ。目を合わせた彼女はやっぱり照れてるというか赤いというか
｢どうしたの？体調悪いの？｣
｢……怒らないで、聞いて｣
あの箱を開けて、ユリアが渡してくれた。箱に入っていたのは小さな宝石付きのリング
｢……そういう意味と、受け取っていい訳？｣
｢あくまでお洒落で付けなよって
……アンタ、誕生日3月だろ？3月はアクアマリン。今あんたが持ってるリングについてる宝石の名さ
んでこっちは私の誕生石。6月のだ。6月はムーンストーン｣
彼女が持ってる箱も見せてくれた。少し色合いが似ているけど微妙に違う
｢……でね、誕生石を指輪にする意味があるんだって。それも誕生石で違うの｣
｢へー、どんなの？｣
そう聞くとめちゃくちゃ可愛く赤くして目を逸らした
｢……アクアマリンは【幸福の絆】。人生に迷った時に希望の光をもたらすとされてるって｣
｢あのマドモアゼル物知りだなぁ……ムーンストーンは？｣
聞きたいじゃん。と言うとユリアはそっと俺の耳に近付いて
｢……ムーンストーンは、【永遠の恋人】
恋人達の石って呼ばれてるんだって｣
｢っ……｣
マジか、マジなのかマドモアゼル！？なんかこっちまで恥ずかしいんですけど！？
｢サンジ｣
｢？｣
｢……その、二人でいる時だけでいいから。付けてくれる？｣
｢なんなら仲間全員に見せてもいいよ？｣
｢けっ、結婚指輪みたいじゃねェかよ！｣
｢……分かった分かった、んじゃあせめて……｣
とユリアが持つムーンストーンの指輪を俺の指にはめて、代わりにアクアマリンの指輪をユリアの指にはめた
｢これなら文句ねェだろ？｣
｢……反則……！｣
｢ざまぁみろ！｣
｢てめっ！！｣
爆発してしまいそうなくらい熱くなった彼女の照れ顔なんて、それはそれは愛おしいもので
今日もまた、甘い恋の味をひとつ俺は知るのだ
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