【名前固定オリジナル】華鳥風月の物語 (ページ4)

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あたしは音楽に対しての知識はそこまでないけど。まあ音楽は嫌いじゃない。話題の奴は聴くし、有名どころはYouTubeでイヤホンして聴くことがある。

誰かに歌うことは基本ないけど、麗花とのカラオケでのみ熱唱することにしている。

勉強はＴＨＥ普通。麗花に頭上がらないほどにノートを借りるけど彼女は一度も断らない。

「友達だから助けるのは当たり前でしょ？」

さも当然であるかのようにノートを差し出してくれる。あたしはほんの少しだけ怖かった。

その完璧な美しい微笑みの中で何を考えてんのかわからない。

そんなあたしの親友さんでも神様は弱点を与えてくれたようで。

彼女のご家庭に一度、勉強会の為にお邪魔したことがある。凡人じゃ到底手が届かないような高級マンションの一室で。

その日はお隣さんで従姉妹の美空(みく)先輩と、暦ヶ丘高校卒業生でOBの氷華(ひょうか)先輩が同じ一室にいた。

なぜ水無月の名を持つ彼女達はこんなに容姿端麗なのだろう。美空先輩も氷華先輩も違った美しさがあって、羨ましかった。

そして色んな話をあっちこっちから聞いている時の麗花の表情は沈んでいた。普段あれだけ高貴に咲く華のようなあの麗花が、である。

特に妹の真璃ちゃんが話す話に関しては耳を塞ぐかのようにイヤホンをし、あたしにおすすめの音楽を聞くだけ聞いてそれっきりだったのだ。