【名前固定オリジナル】華鳥風月の物語 (ページ3)

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第1話華のやうに美しく Ami ページ3

神様ってなんで不平等な世界にしたのかをふと呪いたくなる。いじめられてるとかそんなんじゃないけど、神様を呪いたくなる瞬間くらいある

あたしたちが通う私立暦ヶ丘(こよみがおか)高校。高等部２年のあたし達にとって、逆らえないって言ったらあれだけど、まぁそんな女がいる。

水無月麗花。この名前を聞いて返ってくる返事は【彼女は秀才だ】に尽きる。

頭脳明晰で成績優秀。オマケに容姿端麗の才色兼備なお嬢様。あたし達凡人にとっては天と地の差なんだ。

将来は医者を目指しており、それでいて軽音部に所属。ボーカルを担当している。バンド名は【月時計(つきどけい)】。あたしはよく分からないがとある理由でそうなったらしい。

高校1年の時に1度だけ文化祭できいたことのあるバンドの音。

華が咲くかのようなド派手な演奏と、そこから聞こえる優しげな歌声。音楽にさほど詳しくはないけれどあたしは魅入ってしまう程、彼女に対して憧憬を抱いているのだ。

女なら…ああいう秀才に生まれていたら、と思うこともある今日この頃。

ん？あたし？

あたしは桃川愛美。そんな秀才の同級生であり、心を許している(とあたしは思っている)親友だ。