【魔法科高校の劣等生】白百合の傍には雨が降る (ページ34)

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戦闘編Ⅲ ページ34

服部｢それはどういう意味ですか？｣

『言葉の通りです。確かに生徒会規約には二科生は生徒会役員にはなれません。それは理解しています

でも、ブルームがウィードを蔑む理由が、私には分からないんです』

同じ妹だからなのだろうか、それとも同じクラスメイトの達也を庇ってのものなのか、少なくとも姉の氷華以外は分からなかった

服部｢それは……｣

『何の根拠もなしに、司波達也は無能であると勝手に決めつけて、最愛の妹を泣かせるためにそんな事を言ったんですか？

魔法も見ていないのに、固定概念に囚われていると足元すくわれますよ、先輩』

有無を言わさず、どんどん言葉を放っていく杏都を、止めるものは居ない

『…貴方の心には、生徒会役員になり、責任感を感じている貴方と、ウィードには絶対に負けない自信のある貴方がいる

今の貴方は後者です。でも、これだけは言わせてください

愚かですよ、服部刑部小丞範範蔵先輩。彼の…司波達也の能力を見もしないで言葉を発さないでください。少なくとも此処には1人、そんな二科生を慕う妹さんが居るんです

それとも、何か反論がおありですか？』

明るく、朗らかで優しいのんびりした女の子

それが司波達也が抱く杏都に対する第一印象だった

その概念がボロボロに崩れ去った瞬間だった

真由美｢……杏都ちゃん……｣

会長の言葉に、杏都は我に返って席に戻る

『……言い過ぎた、かも』

達也｢まさかあんな発言するとは思わなかった｣

『ごめんね達也君。私、何も知らないで勝手に言われてるのが嫌なんだ』

そんな会話が彼に届いたのかそうでないのかは分からないが、服部は怒りを露に叫んでしまった

服部｢人を勝手な価値観で話すんじゃない！どんな理由があろうと、二科生が一科生に勝てるわけが無い！馬鹿にするのも大概にしろ、この……

【化け物風情が！】｣