【魔法科高校の劣等生】白百合の傍には雨が降る (ページ29)

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哀しき笑顔編Ⅴ ページ29

やはりか、と氷華は心の中で理解し、同時に悩んだ。具体的なものではなく、あくまで抽象的な質問だったからである

氷華｢……杏都の何を話せばいいの？｣

達也｢まず、得意魔法について

杏都は確か、系統外魔法を得意としていますよね？｣

その質問に彼女は頷く。杏都の履歴書には確かに系統外魔法が得意と表記していることは事実である為だ

達也｢……嘘では、ありませんか？｣

氷華｢と言うと？｣

達也｢憶測に過ぎませんが、杏都は常に魔法を使い続けているように見えたのです。魔法演算領域において、永続的に続けることは俺でも厳しいですから

だからこう考えました。【水無月杏都の持つ魔法は魔法演算領域からではない、身体そのものに宿っている力である】と｣

……聡い上に的確な憶測に氷華は少しだけ目を見開いた。と言っても本人がそう思っているだけで達也は気付いていないが

氷華｢……実は、杏都に頼まれたのです。私の能力について、姉の私が目を見て判断し、信頼出来る人に伝えて欲しい、と

フェアな取り引き、と致しましょう？司波達也君。私は貴方の正体は金輪際触れないし、口外しない。……まぁ、父親と居る時ぐらいは許してくださればそれでいいです

その代わり、わたしが話すことは貴方も口外しないでください。私は杏都に妹自身の能力を達也君に、伝えると言っておきましたのでそこは大丈夫です

現当主、水無月蓮。そして次期当主、水無月氷華としてお願い申し上げます｣

まくし立てて、一気に言ってしまったが、彼は素直に頷き、一言だけ

達也｢……教えてください｣