哀しき笑顔編�� ページ26
そしてその【見極めて秘密を話す日】は、案外早く訪れた。暴徒化した連中を倒し、功績をたたえる……という名目の、七草真由美の愚痴を生徒会室にて達也を初めとする生徒会メンバーは集まっていた。
真由美｢大体ね、うちの高校も馬鹿じゃないんだからあんなヤクザっぽい連中を野放しにしてたのも悪いのよ？でも、うちの生徒を巻き込んでまでする事じゃないわよ！
怪我人は居なかったから良いけれど、もし今後こういうことがあるのなら私は生徒会長としてどんな責務を負わなければ行けないの……はぁぁぁ……｣
この愚痴のヒートアップには、流石の渡辺摩利や十文字克人も何も言い返せ無さそうだ。
氷華｢……父親に聞きました所、あの連中は魔法師ではなく、あくまで下っ端に過ぎないそうです。用心棒的な存在かと
ですが、狙いは敵のひとりに吐かせました。私の妹、水無月杏都の命と、魔法師機密情報文書だそうです｣
摩利｢氷華の父親は確か……｣
氷華｢
……まぁ、不仲ではありますが……｣
そう。現時点で水無月蓮と水無月氷華は父娘仲が最悪に悪い
克人｢む、よく2人でいるところを見たのだが…あれはビジネスということか｣
氷華｢まぁ、そんなところですね｣
今この場において、水無月杏都は居ない。それはただサボったという訳ではなく、能力を使った代償として寝込んでいる
達也｢……｣
ふと、ひとり黙々と何かを書く達也に深雪が気付く
深雪｢お兄様？なにを書いているんですか？｣
妹の質問に兄は平然と答える。と、普通なら思うだろう。だが彼は予想に反してこう言った
達也｢
深雪｢……？お兄さ……｣
真由美｢さて！愚痴るのはもう終わりにするから皆！持ち場についてね！｣
聞こうと思っても聞き出せなかった言葉に深雪は多少の違和感を覚えた
氷華｢……七草先輩、ご迷惑お掛けしました。失礼します｣
真由美｢気にしないでいいのよー。同じ妹を持つお姉ちゃん同士、頑張りましょうね！｣
氷華｢……先輩に、妹が居たのは初耳でした｣
ふふん、と威張る真由美を横目に一礼した氷華は途中、達也とすれ違った。そしてその際、誰にも見られることなく、先程達也が書いていたあの紙を受け取った
達也｢……｣
氷華｢……｣
何も言わず、水無月氷華は生徒会室を去った
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