肆 ページ6
何故か咲結の名前を叫ぶ中原中也と、時間を事細かに覚えてる芥川龍之介に恐れを覚えながらも彼女は入口に辿り着く。
｢……もう、敦が追い払えば良いのに｣
｢咲結姉ェェェェェェ！！｣
視界に入った途端この発狂ぶりである中也を華麗に無視して咲結は森鴎外に目を向ける。
｢で？わざわざ貴方まで出てくるなんて。なんかのお誘いかしら？｣
｢手紙送った筈だけどもね……まァ良いさ。君と太宰君も居るみたいだし話は早い。
……ポートマフィアに戻って来てくれ。私の大切な部下達よ｣
大切な部下達、と言われ咲結は少し目を見開いたが直ぐに首を振った。
｢生憎、組織の勧誘は
それに、私にマフィアは向いてないって太宰も言ってるしね｣
｢そんなこと言ったっけ私｣
太宰に冤罪が降りかかったところで中原中也が頬を膨らませつつも怒りをあらわにし、
｢手前かンなこと伝えたのはクソ太宰。咲結姉は大切な人なんだから元居た組織に戻すのが礼儀だろうが！｣
｢いや大切な人ったところは私も一緒なんだよ中也。それどころか探偵社全員思ってるよ？｣
とんでもないことが暴露されつつも2人は尚もいがみ続ける。それと同時に今度は別サイドでも。
｢な、なんでこんな事をするんだ芥川！｣
｢人虎がいなくても僕が居れば咲結さんと太宰さんを守れると考えただけだ。
人虎を殺し2人を連れ戻そうとも考えたがな。｣
｢そんな事させない。芥川の思い通りになんてなるもんか！咲結さんも太宰さんも僕が守ってみせる！｣
ナイト的発言が飛び出した中島敦に太宰は驚きながらも、
(後で国木田君に伝えとこーっと)
と考えたそうだ。
続く
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