涙の理由 ページ39
一松
ぼろぼろと涙を目から零し、何度も聞こえてくる嗚咽に俺は戸惑っていた。時間の経過も分からないから一日過ぎたのかすらも分からないこの状態で、起きてるのは俺と氷華だけだと思うから。
｢……なんで泣いてるの？｣
そう聞けば涙で溢れた目でこちらを見る。そしえ消えてしまいそうな声がポツリと聞こえた。
｢……思い出したくない記憶が、蘇ったの｣
月明かりしか、視力を頼れるものがない。でも彼女が肩を震わせてるのはわかった。
｢幼い頃、私は部屋から一歩も出ることを許されなかったんです。窓はカーテンすらも開けるな、電灯も付けるなって……｣
｢え、な、なんでそんなこと……｣
｢産みの母は精神を病んで、私の存在がバレれば継母に殺されると本気で思い込んでいたからです……だから、他人に会ったことも無くて……｣
今、氷華の話す追想はこの状況に酷似してる。
｢私はただ普通に生きていればそれで良かった。いつか、貴方言ってましたよね。
【屑ですゴミです、生きる気力のない燃えないゴミ】って。その言葉私にピッタリですよ。
私にふさわしいのかもしれない……｣
そんな事ない。咄嗟に肩を掴んで揺らしていた。
｢馬鹿言わないでよ……！ゴミは俺だからっ、氷華じゃないからっ……！！｣
｢子供の頃、大人の私は落ちぶれてるのかとも思った。何をしても悲しいだけだった。これからもそうやって生きていくんだとそう思ってた
けど、こんな状況になって分かってしまった。思い出してしまった。
私は普通に生きていきたかった。誰か隣にいて欲しかった。愛情を分けて欲しかった。1人で泣きたくなかった……｣
それが、何ヶ月もヘルパーさんをしてくれた氷華の化けの皮であり、勘が鈍い俺でも分かる氷華の心からの本心だった。
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夢沢夏美(プロフ) - サクラさん» コメントありがとうございます。むふふ、夢1のこと嫌いなのは継母です一応。叔母は夢1の事を嫌っていません。語彙力ないから混乱させて申し訳ない(泣) (2018年6月5日 17時) (
レス) id: dbf7975cc0 (このIDを非表示/違反報告)
サクラ - えっ?おばさんてっ夢1のこときらいなのに、なんで「貴方は私の」とかいってるの!?わかんない?(TT)更新楽しみに待ってます！ (2018年6月5日 17時) (レス) id: 82bd22f655 (このIDを非表示/違反報告)
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