・ ページ13
雪斗
昔、突然に現れた氷華という姉に多少の驚きを感じたけれど。今はとても親しい姉さんだ。
｢……六つ子居るけどいいか？｣
｢平気です。姉さんから聞いてるので｣
改めて見ると顔がそっくり過ぎて誰が誰か全く分からないけど。姉さんが親しくしていたのは僕も聞いていた。
｢ねェアンタ、氷華の知り合いなの？｣
待って名前がわからない。誰だ君は。困っていると横から藍葉さんが｢一松だ｣と助け舟を出してくれた。ありがとうございます。
｢姉ですよ。血は繋がってませんけど。｣
｢ねェ！氷華は何処にいるの！？教えてよ！！｣
首根っこ掴まれながら揺さぶられ、そこで姉さんが何も伝えていない事を理解した。
｢……言えません。僕は知らない｣
｢何で！？弟なんでしょ！？どうして！？会いたいよ！！｣
藍葉さんも驚くほどの声量で泣きながら姉さんの事を思う一松さんの顔を見れなくて。
｢風月祭とやらで氷華はいたのか？｣
｢居ましたよ。相当堪えてたみたいでしたけど。｣
嘘だ。姉さんは別に堪えてた訳じゃない。泣きそうなのを隠して辛そうにしていた。
｢……弟さん、｣
｢……おそ松？｣
｢俺、お姉さんの事護れなかったから……
何も知らなかったからさ、逆に教えて欲しいんだよ。
風月祭の事とか、氷華ちゃんの事とか。｣
少し悲しげな目をして、赤い服の男性……
(多分おそ松さんと藍葉さんが言ってた気がする)
がそう言った。
｢……一つだけ確認させてください。それを知った時、貴方は姉さんを好きでいられますか？｣
それだけの覚悟がないと、話す事は出来ない。姉さんに纒わり付く鎖は千切れもしなければ触れもしないだろう。
｢……もちろん。｣
後ろの5人も同様に頷いて。僕は少しだけ笑顔になった気がした。姉さんの事を思う人が僕以外にもこれだけ沢山居たのだから。
｢2週間前に風月祭は行われました……｣
そう前置きを残して話す事にした。彼等にはきっと僕の辛さが分かってくれるだろうから。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 5人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
夢沢夏美(プロフ) - サクラさん» コメントありがとうございます。むふふ、夢1のこと嫌いなのは継母です一応。叔母は夢1の事を嫌っていません。語彙力ないから混乱させて申し訳ない(泣) (2018年6月5日 17時) (
レス) id: dbf7975cc0 (このIDを非表示/違反報告)
サクラ - えっ?おばさんてっ夢1のこときらいなのに、なんで「貴方は私の」とかいってるの!?わかんない?(TT)更新楽しみに待ってます！ (2018年6月5日 17時) (レス) id: 82bd22f655 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
