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突然の事に天宮藍葉を初めその場に居た全員が騒然とした。だが彼女はムクリと起き上がり一言


「もう無理、敬語吐きそう」

それだけ告げた。その真意を悟った藍葉は面食らった顔をしていたが次第にそれは笑顔に変わった。


「アハハ、何氷華、あれ演技なの!?」

「当たり前じゃないの藍葉。誰が好き好んで天宮さんなんて呼ばないといけないのさ」

どうやら演技で一芝居打っていたようだった。それを理解した六つ子はほっと一安心したようで。


「松野さん達とか……氷華らしくなくて気持ち悪かった」

「ご、ごめんなさい……澪さんもすいませんでした。えっと……こちらは……」


穂乃果のことに気が付いた氷華が訝しげに藍葉に問う。


「美影穂乃果。私の幼馴染だよ。」

「初めまして!氷華さんの事は藍葉ちゃんから聞いてます!」


にこりと、そして元気よく返答した穂乃果に氷華は微笑む。そして皆の座るソファーに腰掛けた。


「……本当は、雪斗と杏都に会うのが目的じゃないでしょ?」

「うん!氷華ちゃんさ、俺達の所に戻ってきてよ!」


純粋無垢な目でおそ松は氷華にそう言うが、氷華は首を振った。

「それは……出来ません」

「何で?」


間髪入れずに一松が心無しか怒りを込めて聞いた。氷華は先程の様に少し暗い瞳をしてこう言った。


「こうしていないと、貴方達に危害が及ぶからです。」

「氷華、それどう言う……」

藍葉が聞き終える前に扉が開いた。氷華の指示通りに茶菓子を持ってきてた紅と桃だ。


「氷華姉様、お茶菓子とお茶持ってきましたわ!」

「……こんなに客来たことないから、大変だった」


ありがとうねと笑った氷華は先程の様な演技の笑みを浮かべて紅と桃は満足気に戻っていった。


「あの二人は元々人身売買によって売り飛ばされた双子。


それを哀れんだ藜さんが買ったの。まァそのせいで父から勘当されたわ」

「え、そんな理由で勘当とか有り得んの?」


その質問にゆっくり氷華は頷いた。


「現当主……私の父に当たるけど、父は気に入らない人は勘当させる冷徹な人なの。仕事以外に興味無いし。


……私と血が繋がってるなんて、本当に嫌。」


最後は嫌味なのか本心なのかは定かでは無いが何処か泣きそうに言っていた。

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夢沢夏美(プロフ) - サクラさん» コメントありがとうございます。むふふ、夢1のこと嫌いなのは継母です一応。叔母は夢1の事を嫌っていません。語彙力ないから混乱させて申し訳ない(泣) (2018年6月5日 17時) (レス) id: dbf7975cc0 (このIDを非表示/違反報告)
サクラ - えっ?おばさんてっ夢1のこときらいなのに、なんで「貴方は私の」とかいってるの!?わかんない?(TT)更新楽しみに待ってます! (2018年6月5日 17時) (レス) id: 82bd22f655 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:夢沢夏美 | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2018年5月17日 15時

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