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誘拐 ページ5

……

意識が朦朧とする

あれ、俺…寝てたのか?

確かAの叫び声が聞こえて

!そうだ…Aは?
 
Aを探す為急いで起きようと思ったその時

黒尾 「いっ…!」

猛烈に頭が痛くなった
確かAを守ろうとしたときに殴られたんだ

力を振り絞って起きた俺は周りを見渡した
皆、倒れてる…?
いや、ただ寝ているだけか…良かった
 

だが、安心するのも束の間
Aは消えていた。連れ去られたのだ

俺が〈守ってやれなかったから〉だ。





ある夏の日小学生の頃こんな約束をした


鉄朗 「俺の家まで競争しようぜ!」

A「あ?絶対勝ってやる」

鉄朗 「よーーi((

A「スタート!」

コイツ、フライングしてっ…!

俺は運動神経は良い方だった
それはAも同じだ

よし…!追い抜いてやる!そう思った時

いきなり隣にいたAが止まった

何やってんだよとか、言おうと思ったが
Aは木に猫がいることに気づいた

ちょっと、助けてくる!そう言い軽い足取りで木に登り
猫を助けた

その瞬間、Aは木から落ち膝を擦りむいた

A「うっ、うええぇ」(大声)

鉄朗 「A!?」

俺は急いで膝から血を出し泣いているAの所へ駆け寄った

鉄朗 「Aっ!」

Aはよく転びよく他人の為に無茶をする少女だった

Aのそんな性格に俺は惹かれたと、同時に真似したくなった。しかし、他人の為にどうしてそんなに優しくできるのか分からなかった。

でも、Aになら優しく出来ると思った

だから俺はAの為に常に絆創膏を持っているようにしてた
勿論本人は知らない


鉄朗 「ちょ、絆創膏貼ってやるから家帰ったら消毒しろよ、お前面倒くさいとか思ってるんだろうけど菌入ったら病気になっちまうからな」

A「わっ、分かったぁ…」

泣きすぎて過呼吸になってんじゃん笑

鉄朗 「歩けるか?」

A「痛い…」


こう言う時Aはどうする?
痛くなくなるまで一緒に待ってるか?
いや、こんな溶けるように暑いと熱中症になってしまう

その時雛カラスを咥えた黒猫が横を通った
黒猫が…雛カラスを運んでる……

よし、俺もAを運んでやろう

鉄朗 「Aー俺の背中に乗れ」

そう言ってしゃがむ、
Aは普段俺がしない行動に驚いている

鉄朗 「お前歩けないんだろ?家まで運んでやるから」

A「わ、分かった」

Aは申し訳無いように背中に乗っていたから
途中からは俺が強引に乗せた

守る→←逃げ道はない



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作者名:やなねる | 作成日時:2022年8月11日 21時

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