047・売り言葉に買い言葉 ページ49
波濤が襲う間際。
身を挺し大波からゴンを守り、強引に甲板へ引っ張り上げた。
が、Aの体はバランスを崩し海に傾く。
咄嗟に、柵に捕まろうと手を伸ばすが虚空をつかむ。
「‥‥ツッ‼︎」
まずい。
そう感じ取った時には、海に放り出され水面に叩きつけられていた。
波に攫われ船から引き離されていく。
そして、容赦なくAを襲いかかり水の中に閉じ込めようと覆いかぶさる。
苦しい‥息が出来ない。
飲みたくもない海水を無理やり喉の奥まで押し込まれる。
完全に上下左右の方向感覚を失っていたが。
それでも、一心不乱に手足を動かし海面を探し求める。
奇跡的に船にたどり着いた。
Aは柵に指を引っ掛け、上体を高く持ち上げたが。
「──ッ‼︎」
刺すような痛みが後頭部まで駆け抜けた。
苦痛は脇腹から徐々に広がって腹全体に鳴り響く。
あまりの激痛に上半身を海面に戻した。
痛みの感覚的に、脇腹に何かが突き刺さり。
肋骨が2、3本折れている。
きっと波に揉まれている最中、突き刺さったんだろう。
肋は水面に叩きつけられた衝撃で。
何度か甲板へ上がろと試みるが、その度に波と痛みが邪魔をする。
その間、荒波は休むことなくAを打ち寄せ体力を奪い去っていく。
胃が海水で満たされた。
脳に酸素が回らず意識が眼前暗黒感を覚え、瞼が重い。
出血もかなりしている。
危険信号だ。
分かっている。でもどうする事も出来ない。
次の瞬間、片手が限界を迎え柵から滑り落ちた。
残さられた腕に重みがのし掛かりプルプルと痙攣する。
徐々に引っ張られ、波に流されるのは時間の問題だった。
─もう‥‥駄目だ‥‥。
死を覚悟した。
耐えきれなくなった手が滑り落ちた刹那。
A、と呼ばれた気がした。
瞼越しに灯りを感じ取ると同時に冷たい空気が肺になだれ込む。
「ゲホッ！ゴホッゴホッ‼︎」
咳き込み胃に溜まった海水を全て吐き出す。
私助かったの？そう思っていると私を気にかける言葉が降り注ぐ。
「大丈夫？皆んなが探し回っていたよ？」
朦朧とする意識の中重い瞼を開ける。
と馴染みのある顔が瞳に映った。
Aは、大きく目を見開いた。
「ヒ‥ソカ‥‥⁈」
腿をまわる腕、背を支えるように添えられた手。
ヒソカに抱かれていた。
「勝手に死なれたら困るんだよね♦︎」
「じゃあ、死なないように見張っておかなきゃ。駄目だよ？」
冷たい唇を動かし笑う。
ラッキーカラー
あずきいろ
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カラス - ヒソカたまらん、、更新楽しみです待ってますー (2021年9月3日 4時) (
レス) id: 2cdebcf1aa (このIDを非表示/違反報告)
リオ(プロフ) - めっっちゃ萌えます‥！！ヒソカの変態っぷりも良いですし出会い方やストーリーがめっちゃ好きです‥！！(*≧∀≦*)ぜひ更新よろしくお願いします！m(_ _)m (2019年8月13日 0時) (レス) id: cdff23c672 (このIDを非表示/違反報告)
ユキナ(プロフ) - フェイタン天使さん» ありがとうございます！！やる気が出て更新しました、笑 良かったら引き続き読んでください！よろしくお願いします(_ _) (2017年9月6日 3時) (レス) id: 427ac8eeed (このIDを非表示/違反報告)
フェイタン天使(プロフ) - ヒソカあああああああああああ！！！優しい少年の方も萌えたけど、今の変態ヒソカの方も十分に萌えます！！更新待ってますw (2017年9月5日 22時) (レス) id: 36a76390b2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：樹枝六花 | 作成日時：2017年8月24日 23時
