045・不安が的中する ページ47
「A、後何分後に来る？｣
長ったらしい数式や文字の羅列を書き記し答えを導き出す。
操舵室の装置を弄るクラピカを視界に入れる。
「20分後に‥‥いやあと15分後よ｣
「分かった」
クラピカは慌ただしく装置の活用が出来るか最終チェックをする。
Aはふと地平線の彼方の不穏な雲をまじまじと見つめて不安げな表情をした。
ぎゅっと胸を手で押さえる。
さっきから嫌な予感にゆすぶられ動悸が激しく鳴っていた。
この胸騒ぎはなに、第2波が迫ってるから‥？
今はそんなこと考えるてる場合じゃない。
雑念でも払うように首を振り、不安を深く考えず胸の奥に追いやり双眼鏡を覗く。
西日が燃えるように赤く染まり、落ちかかる日輪が歪んでくびれただるまのような形にまた浮かび始めた。
「クラピカ、そろそろ時間だよ」
クラピカは頷くと伝声管でポックルとポンズへ原動機の確認を取り、受験者達に作戦開始の秒読みを告知する。
操舵輪を握りしめカウントダウンを開始した瞬間。
伝声管から聞こえてきたハンゾーの焦りに帯びた言葉に、手に持っていた双眼鏡がこぼれ落ちる。
「砲弾を探しに海底へ行ったレオリオが戻って来ない」
「潜水服はあれ一つしかない」
その一言で体温が一気に低下し、心臓が壊れそうなほど早鐘を打つ。
最悪の展開が頭の中で浮かび上がる。
「....ツッ！」
「レオリオ‥‥」と小さな声で呟きながらクラピカは操舵輪から離れ1歩、2歩後退し額を手で押さえる。
Aは平常心をなんとか保つ。
「救出は二次遭難が高い。‥最終判断は、お前達に任す｣
ハンゾーの言葉が突き刺さる。
レオリオの捜索に時間を割けば受験者達の身の危険がつきまとう。
かと言って仲間であるレオリオを見捨てることなんて出来ない‥‥。
クラピカと私に託された最終判断は酷なもんだった。
「ハンゾー海が‼︎」
と伝声管から慌しい声が、第2波が始まったのだと確信する。
風が窓を叩きつけ、蛇みたいにうねうねと動く竜巻が見えた。
もう、1秒たりとも迷ってる時間はない。
クラピカの両肩を掴みかかり意識を自分に向けさせるが、此方を見ようとはしない。
「しっかりして。指揮官は貴方なのよ！判断しないと」
「でも、見捨てること出来ない」
「同じ気持ちだよ。大丈夫、私に任せて。クラピカは操縦に集中して」
やっとクラピカと目が合う。
不安そうな瞳に、Aはにっこりと笑って見せる。
ラッキーカラー
あずきいろ
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カラス - ヒソカたまらん、、更新楽しみです待ってますー (2021年9月3日 4時) (
レス) id: 2cdebcf1aa (このIDを非表示/違反報告)
リオ(プロフ) - めっっちゃ萌えます‥！！ヒソカの変態っぷりも良いですし出会い方やストーリーがめっちゃ好きです‥！！(*≧∀≦*)ぜひ更新よろしくお願いします！m(_ _)m (2019年8月13日 0時) (レス) id: cdff23c672 (このIDを非表示/違反報告)
ユキナ(プロフ) - フェイタン天使さん» ありがとうございます！！やる気が出て更新しました、笑 良かったら引き続き読んでください！よろしくお願いします(_ _) (2017年9月6日 3時) (レス) id: 427ac8eeed (このIDを非表示/違反報告)
フェイタン天使(プロフ) - ヒソカあああああああああああ！！！優しい少年の方も萌えたけど、今の変態ヒソカの方も十分に萌えます！！更新待ってますw (2017年9月5日 22時) (レス) id: 36a76390b2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：樹枝六花 | 作成日時：2017年8月24日 23時
