037・大失態をさらす ページ39
『逃げて！』
誰かが私に向かって手を伸ばしてる。
どうして。
そんな悲しい顔しているの？
「っ…はっ…はあ、はあっ……」
飛び起きた瞬間、汗で濡れた額に片手をあててAは独り言を洩らす。
「夢……？」
はっきりと覚えているわけではない。
だが「逃げて」という得体の知れない声は、今も耳の奥にこびりついている。
激しく鼓動する心臓をキャミソールの上から強く掴んだ。
一瞬、ここがどこか分からずに四方を見渡す。
無機質な天井、生活感のない室内。
視界に飛び込んできたそれらは見慣れぬ部屋。
そうだ。
3次試験を終え軍艦島のホテルに泊まっていることを思います。
ベッドから抜け出しコップに水を注ぎ飲みホッと一息つく。
今さっきまで寝ていたベッドのシーツはじんわりと湿っている。
冷静になってみれば汗で肌着もびっしょりと濡れていた。
汗を流そうと風呂場に向かうその時だった。
微かな機械音が聞こえてくる。
はっと窓に視線を向けたAは一瞬固まった。
「あれは？」
乗ってきた飛行船が今にも旅立とうとしていたのだ。
考えるより先に体が動く。
部屋から飛びだし廊下の窓を見ながら走る。
何故、夜中に飛行船が飛んでいるの？
何かおかしい。
真っ暗闇の中Aは甲板へと急ぐ。
次の瞬間。
腹部に何かがまとわりつき引きずり込まれる。
肩を大きく回し振り向き見上げた。
そこには間近に琥珀色の目とニヤニヤと笑いを浮かべる口元があった。
「やあ♦︎いい匂いするね❤︎」
ヒソカが首筋に鼻を近づけてきて匂いを嗅いでくる。
変態。じゃなくてヒソカに構ってる場合じゃない。
「急いでるの、離して」
腹部に絡みついてる腕を強引に引き剥がす。
が手を掴まれる。
「どこに行くんだい？そんな格好で？」
ヒソカの目線を辿り自分の体に視線を落とす。と白いレースのスリップインナーが目に入る。
Aは面食らった。
慌ててしゃがみ込み両手で体を抱きしめる。
寝起きで飛び出したせいで下着の格好のままだった。
「み、見ないで‥！」
顔が首の付け根まで朱を注いだように真っ赤に。
死ぬほど恥ずかしい。
消えてしまいたい気持ちを抱いているとフワッと何か降ってくのを感じ顔を上げた。
タオルケットが私を包み込む。
「刺激的だけどあまり人に見せない方がいいよ♠︎」そう言いながらそそくさと暗闇に消える。
Aは目的を忘れ暫くその場から動けなかった。
ラッキーカラー
あずきいろ
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カラス - ヒソカたまらん、、更新楽しみです待ってますー (2021年9月3日 4時) (
レス) id: 2cdebcf1aa (このIDを非表示/違反報告)
リオ(プロフ) - めっっちゃ萌えます‥！！ヒソカの変態っぷりも良いですし出会い方やストーリーがめっちゃ好きです‥！！(*≧∀≦*)ぜひ更新よろしくお願いします！m(_ _)m (2019年8月13日 0時) (レス) id: cdff23c672 (このIDを非表示/違反報告)
ユキナ(プロフ) - フェイタン天使さん» ありがとうございます！！やる気が出て更新しました、笑 良かったら引き続き読んでください！よろしくお願いします(_ _) (2017年9月6日 3時) (レス) id: 427ac8eeed (このIDを非表示/違反報告)
フェイタン天使(プロフ) - ヒソカあああああああああああ！！！優しい少年の方も萌えたけど、今の変態ヒソカの方も十分に萌えます！！更新待ってますw (2017年9月5日 22時) (レス) id: 36a76390b2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：樹枝六花 | 作成日時：2017年8月24日 23時
