033・残り30秒前 ページ35
浅い眠りを何度か繰り返し残り時間を過ごしていた。
チラッと時計を見ると00:03:45。
40人も満たない人数が合格しているが、その中にゴン達の姿はない。
近くの扉が重たい音立てて開く。
血まぐさい臭いを撒き散らし男がフラフラと入って来くる。
ゴン達じゃない。
心が波立ち騒いで落ち着かなくなる。
ゴン‥キルア、クラピカ、レオリオー‼︎
何してるの?このままだと不合格になるよ。
「フフフ、間に合った‥ぜ」
全てを振り絞った一言を言った男は壮大に地面に倒れ込む。
が、それはすでに魂が抜け肉の塊に。
「死んでる。バカな奴だぜ」、「死んで合格するよりも生きて再挑戦すれば良いのによ」と野次馬達が無き者に罵詈雑言の言葉を浴びせていた。
タイムリミットが迫る。残り時間が1分を切ろうとしてた。
落ち着かない気分に押され立ち上がる。
もう駄目だと諦めかけた瞬間扉が開いた。
今度こそ‥‥縋る想いで懇願の眼差しを扉に向ける。
「クラピカ、ゴン、キルア!」
3人の姿を確認してAは駆け寄った。
『タイムアップー‼︎第3次試験通過人数36名‼︎』
再会に水を刺すかのようにアナウスが流れた。
負けじと3人の名前を呼ぶ。
ゴンとキルアが無邪気に駆けつけ、その後ろでクラピカが表情をなごませていた。
ほっと安堵の胸をなでおろし迎え入れる。
「もー、ヒヤヒヤさせないでよね」
「ごめんね。A」と大してすまなくもなさそうな口調でゴンが言う。
「手がマメだらけだ。しかし、皆んなが合格出来たのもゴンのおかけだな」
「お前よく、壁を壊す名案思いついたな。超すげーぜ!」
困ったように頭をかいて笑うゴンの首に、キルアが腕を回し戯れ合う。
会話に花を咲かせていると「俺のことも忘れるなよ」と声が聞こえ振り返る。
「レオリオ‼︎えっともう1人は‥」
小太りのオヤジ何処かで見たことあるんだけどなぁ。
確か試験開始前に‥‥。
「あっ、下剤ジュース新人潰しのトンパだ‼︎」
言いながら指をさすと、きっと睨まれバツが悪そうにそそくさ去っていた。
ん?私、何か気に障ること言ったかな?
まあーいっか。
「それにしても‥‥」
Aは4人の頭のてっぺんからつま先まで順番に視線を這わせる。
「皆んな格好ズタボロだね」
ほくそ笑む。
4人はお互いの服装を見比べ合うと笑いの渦に包まれた。
射した光線に私達は外に駆け出る。
3日ぶりの新鮮な空気は美味しかった。
ラッキーカラー
あずきいろ
179人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
カラス - ヒソカたまらん、、更新楽しみです待ってますー (2021年9月3日 4時) (レス) id: 2cdebcf1aa (このIDを非表示/違反報告)
リオ(プロフ) - めっっちゃ萌えます‥!!ヒソカの変態っぷりも良いですし出会い方やストーリーがめっちゃ好きです‥!!(*≧∀≦*)ぜひ更新よろしくお願いします!m(_ _)m (2019年8月13日 0時) (レス) id: cdff23c672 (このIDを非表示/違反報告)
ユキナ(プロフ) - フェイタン天使さん» ありがとうございます!!やる気が出て更新しました、笑 良かったら引き続き読んでください!よろしくお願いします(_ _) (2017年9月6日 3時) (レス) id: 427ac8eeed (このIDを非表示/違反報告)
フェイタン天使(プロフ) - ヒソカあああああああああああ!!!優しい少年の方も萌えたけど、今の変態ヒソカの方も十分に萌えます!!更新待ってますw (2017年9月5日 22時) (レス) id: 36a76390b2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:樹枝六花 | 作成日時:2017年8月24日 23時