001・終わりと始まり ページ3
これは、1番古い記憶。
しんしんと降り続ける雪が、辺り一面を真っ白に染めていた。
落ちてくる雪を追うように空を見上げれば、どこか哀愁を帯びた冷たい雪が私を孤独にする。
ふっと振り返れば真っ白な雪の上を小さな花弁の模様が、点々と自分の足元に一直線に続いていた。
それが自分の足跡だと理解するのに時間は要らなかった。
でも、ここまでどう歩いて来たのか覚えがない。
周囲を見渡すが、あるのは荒地に降り積もった白い世界と。
私だけ。
「ッ‥‥‼︎」
一歩踏み出すと足裏に締め付けるような痛み。
赤くなった素足。
何故、素足なのか。
どれだけ記憶を遡ってもどれだけ考えても答えは出てこない。
そして襲って来た「自分は誰なんだ？」という疑問。
考えれば考えるほど頭は混乱するばかり。
で、次第にそれは強烈な頭痛と、どうしようもない吐き気に変わる。
更に、不安と寂しさが腹の底からこみ上げてきた。
目頭に熱いものが溢れ視界が歪む。
「‥‥だれか、たすけて」
「ねぇ‥君こんな所で何してるの、大丈夫？」
突如聞こえた声に思わず肩が跳ねた。
声を上げそうになるのを堪えキョロキョロと辺りを見渡す。
振り返ると青年が立っていた。
見た目からして私より少し年上だろうか。
思わず身構える私に青年は不思議そんなに首を傾げた。
「‥大丈夫。貴方は誰‥‥？」
気持ちを込めるでもなくさらりと受け答え、涙を拭う。
「ボク？ただの通行人だけど。君こそ誰なんだい？」
逆に問われると思ってなくて「えっ」と声が漏れる。
「君の名前、教えて」
そう言いながら、頭のてっぺんから爪先まで舐めるような視線を向けてくる。
「‥分からない、なにも思い出せないの‥‥」
「思い出せない？‥‥顔色悪いよ、薄着で寒くないの？」
そう言われ初めて、薄着のワンピースしか着ていないことに悟る。
難解な迷路のような思考に陥る私を置き去りに、青年は続け様に言った。
「少し歩いたら洞窟がある。そこで休むといいよ」
ここから少し離れた洞穴を指し示す。
確かに分かりづらいが、10m先に小さな入り口が見えた。
「それじゃあ」
その声に、慌てて目線を戻すと立ち去ろうとしていた。
置いていかれる、何故かそう思ってしまった。
また、1人になる──‥‥‥。
「ダメッ‥待って、1人にしないで！」
気がつけば、私は青年の裾を掴んでいた。
ラッキーカラー
あずきいろ
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カラス - ヒソカたまらん、、更新楽しみです待ってますー (2021年9月3日 4時) (
レス) id: 2cdebcf1aa (このIDを非表示/違反報告)
リオ(プロフ) - めっっちゃ萌えます‥！！ヒソカの変態っぷりも良いですし出会い方やストーリーがめっちゃ好きです‥！！(*≧∀≦*)ぜひ更新よろしくお願いします！m(_ _)m (2019年8月13日 0時) (レス) id: cdff23c672 (このIDを非表示/違反報告)
ユキナ(プロフ) - フェイタン天使さん» ありがとうございます！！やる気が出て更新しました、笑 良かったら引き続き読んでください！よろしくお願いします(_ _) (2017年9月6日 3時) (レス) id: 427ac8eeed (このIDを非表示/違反報告)
フェイタン天使(プロフ) - ヒソカあああああああああああ！！！優しい少年の方も萌えたけど、今の変態ヒソカの方も十分に萌えます！！更新待ってますw (2017年9月5日 22時) (レス) id: 36a76390b2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：樹枝六花 | 作成日時：2017年8月24日 23時
