000・プロローグ ページ2
気がつくと目的地に辿り着いていた。
全身黒いマントで覆われた人影は、足を止め店の看板を見上げる。
「めしどころごはん？」
渦巻くような不信感が彼女の足を踏み止まらせていた。
何故なら、ハンター試験会場の入り口が定食屋だとは想像だにしてなかったからだ。
「もしかして、間違えた？」
手元のメモに目を通すが、ザバン市ツバシ町2-5-10はここだ。
間違いない。
とりあえず入ってみるか、そんな軽い気持ちで扉を開けた。
──今、止まっていた時計が動き出す。
ハンター試験を知ったのはつい最近。
あれは、確か1週間前ほど。
たまたま休息で立ち寄った店に、貼り付けられた1枚のボロ紙。
別にハンターになりたかったわけじゃない。
ハンター試験を受けたのは、ただの興味本位と気まぐれ。
そして、ハンターライセンスのため。
ライセンスを支持すれば、今より行動範囲が広げられる。
各種交通機関、公共機関のほとんどを無料で使用でき、民間人が入国禁止の国の約90%、立入禁止地域の75%まで入ることが可能になる。
さすらいの旅をする彼女にとってはうまい話だった。
更に、一般には公表されないハンター専用サイトの"情報"。
"情報"の中にもしかしたら、自分に繋がる手がかりがあるかもれない。
そんな薄い期待を抱いて彼女はハンター試験に申込んだのだ。
──私は‥‥‥‥。
「過去」の記憶がない。
いわゆる記憶喪失だ。
6年前のある日。
気がついたら雪道をふらついて、それまでの記憶を一切失っていた。
自分の名前、年齢、家族、友人‥何もかも。
ただ、手がかりになるかわからないが何度も夢見る光景がある。
私に何かを訴えかけてくように。
小さな女の子が母親と父親に手を引かれ楽しそう歩いてる光景。
この夢を見るたびに、いつも全身が炎に焼かれるような熱い痛みが走る。
この痛み。
この光景に何の意味があるのか。
あらゆる場所へ旅をしてきたが、"記憶"繋がる手がかりはなく。
そして、何も思い出せないまま6年の月日が経っていた。
私は知りたい。
思い出したい。
記憶を失くす前、本当はどんな人間だったのか？
そして、どこから来たのか？
自分の帰りを待つ者はいるのか？
果たして、私の帰る場所はあるのだろうか‥‥？
ずっと変わらない唯一の望み。
" 記憶を取り戻す "
──帰るべき場所へ帰りたい。
ただ、それだけ。
ラッキーカラー
あずきいろ
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カラス - ヒソカたまらん、、更新楽しみです待ってますー (2021年9月3日 4時) (
レス) id: 2cdebcf1aa (このIDを非表示/違反報告)
リオ(プロフ) - めっっちゃ萌えます‥！！ヒソカの変態っぷりも良いですし出会い方やストーリーがめっちゃ好きです‥！！(*≧∀≦*)ぜひ更新よろしくお願いします！m(_ _)m (2019年8月13日 0時) (レス) id: cdff23c672 (このIDを非表示/違反報告)
ユキナ(プロフ) - フェイタン天使さん» ありがとうございます！！やる気が出て更新しました、笑 良かったら引き続き読んでください！よろしくお願いします(_ _) (2017年9月6日 3時) (レス) id: 427ac8eeed (このIDを非表示/違反報告)
フェイタン天使(プロフ) - ヒソカあああああああああああ！！！優しい少年の方も萌えたけど、今の変態ヒソカの方も十分に萌えます！！更新待ってますw (2017年9月5日 22時) (レス) id: 36a76390b2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：樹枝六花 | 作成日時：2017年8月24日 23時
