【SA・O】妖精の翅、脆く儚く【 ｽ ﾃ ｰ ｼﾞ: ｱ ﾙ ｳﾞﾍ ｲ ﾑ】

2.妖精と世界樹-選択基準- ページ9

家に帰った俺は、鞄を投げ出してジャケットを脱ぎ、Tシャツにジーンズの姿でベッドに転がった。

俺は都内の高校に通っていて、親元を離れて暮らしている。
……まあ、わざわざここまで来てあの高校とは2年前にオサラバしてそれっきりなのだが。

登校は政府によって止められているのだ。
だから、学生の俺が補導員のおっちゃんとかに見つかったらどうしよう、とか思った。
うん。
良かった。

とにかく、俺はベッドヘッドに置いてある、俺をあの世界へ閉じ込め続けていたナーヴギアを手に取って、見つめる。

……また被る日が来ようとは。

しかも退院してまだ2日なんだけどな。

苦笑しながら装着する。
そして、目を閉じた。

＿＿＿＿＿行こう、アスナに会いに。


「……リンク、スタート」

震える声でコールする。
そして、閉ざされていた視界いっぱいに、閃光が駆けていく。

まずこのゲームで最初に行うのはキャラクター設定。
名前を『レオン』と入力して、性別は男を選択。

別に迷いなど無かった。

あの世界での俺の名前なんて誰も知らないだろうし、『レオン』なんてよくある名前だ。
そこまで注視されないだろう。

で、姿はランダムに作られるらしく、選択するのは種族だけらしい。
種族……種族ねえ……俺、別にこういうゲームとかの種族って知らないんだよなあ。

何て言うか……なあ。
ゲーム自体SAOが初めてだったし。

そこまで詳しく無いんだよなあ。

少し迷って、サラマンダーを選ぶ。

攻撃力って大事な気がした。
あと赤いの格好いいなぁって。
……俺、こんなやつでごめん、アスナ……。

とにかく。
気を取り直して行かなければ。

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