この姉弟は俺を狂わす。【ブルーロック】

▷▶︎▷ ページ3

・




pppppp……



『……ん、ぅ…』



朝が来てしまった。




明るいのと眩しいのが苦手な私は、朝があまり好きでは無い。




もぞもぞと布団から出ようとするも、なかなか布団が私を離してくれない。







アラームは止めた。






だから後は起きるだけ。





でもそれだけで私のやる気を無くしていく。







『(……ぁ、今日…学校か)』



布団から出れずにボーッと思い出す。










「……ん〜…」




すると、隣から声が聞こえた。




弟の誠士郎。





図体はでかいくせに、幼い子のように愛らしい顔立ちをしている男、それが私の可愛い弟だ。





普段からふわふわの弟の髪の毛は、四方八方に向いていた。





『(…… 寝癖すご)』




かくいう私も感覚だけで寝癖がすごいことになっていると気づいた。







『(……ぁ、今日はお弁当の日…)』




今日、つまり月曜日だけはお弁当を作ることになっている。




お姉ちゃんとして、低燃費の弟の栄養面に気をつけたいがため毎朝お弁当を作っていたのだが、







「毎朝大変でしょ。俺が勝手にAの家に住みついてるんだから、わざわざ俺の分も作らなくていーよ」




と、言ってきたのだ。




でも、弟の食費がゼリーだけで消費されていくのが本当に心配でせめて1日だけ、作らせてもらっている。








私はこの子のお姉ちゃんだから。






誠士郎のためだったら、なんだってしてあげたい。







私がなんでも出来る「天才」なのは、この子のためだと思っている。






気持ちよさそうに眠る弟の頭を軽く撫で、布団から出る決心をした。

▷▶︎▷→←▷▶︎▷

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す