【ノラガミ】妖少女は夢を見る (ページ6)

今日:19 hit、昨日:8 hit、合計:50,777 hit

時は満ちたページ6

あの日出会ってから一年とは早いもの。
伴音ちゃんと一緒に夜ト様と戦うのも楽しかったけれど、愛想をつかされてしまった。夜ト様が。
泣く泣く別れた私と彼女はきっとまた会えるだろう。これもきっと、縁だった。

「うえさまー？」

夜ト様とは変わりなく、主従関係を守り、静かに？生活している。

伴音ちゃんの件で落ち込んでいたのも漸く回復してきたのか、比較的元気なようで安心だ。

変わらず、私の正体も知らぬままだけれど。

「ほらほらAも探せ探せ！」

はっとして背筋を伸ばす。考え事をしているとすぐ回りの音を聞かなくなってしまうのは悪い癖だ。
今は猫探しをしていて名前は上様｡何でそんな名前になったのやら、ため息をつきかけた時……。

「、夜ト様！！！」

トラックに轢かれそうになる夜ト様を見て私は驚きのあまり声を荒げてしまった。瞬時に手を伸ばして、私は思わぬ光景を目にする。

「人の…子…？」

あの時の、私の居場所の無くなる記憶がよみがえる。

(私が嘘つきだから全て奪ってしまうの？)
堪らなくなって、泣きそうになった。