始まりは突然に ページ1
古い時代、人々に信仰された稲荷神に生け贄として捧げられた娘はその亡骸に新しい魂を、稲荷神様の命を少しだけ頂いた。
そこから延々と季節は廻る。
娘は望まず永久の命を手にいれた。
「……もう、!来ないで下さい!」
後ろには大きな目玉だらけの妖。全くどうしてこんなものを引き寄せてしまったのか……。
「〜っ、どなたか!……助けて!」
神々の管轄しているこの地で刀を使えば間違いなく自分が滅される。しかし叫んだところで誰が来る筈も無く……私は諦めて妖に向き直った。
「狐火。」
一瞬だけ大きく燃え上がった妖に、これで少しは目眩ましになるだろう、と能天気なことを思って、また、走り出そうとする。
「お前面白いな!!」
「……え?」
青ざめて、ばっ、とそちらを見上げた。
塀の上には青いジャージを着て、よだれ掛け?のようなものを着けた男性。
どうやら私は、今から面倒臭いことに巻き込まれるようだ。
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まチョコ - 上手すぎやろ。喋り方までそっくり。面白いし感動した。 (2021年9月1日 18時) (レス) id: 310d4b66e7 (このIDを非表示/違反報告)
琉那(プロフ) - めっちゃ面白いです (2019年9月30日 21時) (レス) id: 60dcb24f8e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:桜狐 | 作成日時:2019年8月24日 23時