鼻緒【優馬side】 ページ7
貴『…っ!誰?』
いつもは感じない、来訪者の気配。
この淀んだ空気には馴染まない澄んだ清い雰囲気。
無意識に中庭を挟んだ大門を見つめる。
薬研「どうかしたか?」
貴『ううん。なんでもない。』
薬研「そうか。あ、もうすぐ夕餉の時間だな。鶴丸の様子見てくる。」
貴『……うん。いってらっしゃい。』
夕餉の準備をしている鶴丸の様子を見に薬研が部屋を出る。
貴『もし、邪魔者ならば_______切る。』
薬研と鶴丸と眠っている皆に害を与えるものならば。
私は容赦なく切るだろう。
自分自身を握り、草履を履く。
貴『鼻緒が切れそう…。早く直してよ、堀川。』
勿論返事はないけれど。
私は大門を数ヶ月ぶりに開けて気配のする麓に向かった。
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優馬「はぁ〜っ!きっっつ!!なんなんだこの坂!!俺もう運動部じゃねぇよ!」
先程尾崎さんと別れてから気の滅入るような坂道を登っている。
これは登山部でも吐く。
うん。早くも帰りたい。
いや待って、俺もこう見えて運動部だった。行ける気がする。バスケをずっと続けていたんだ!いける!(はず!!)
優馬「よしっ、もうそろそろ行かねぇと…って!!?」
思い腰を上げて立ち上がれば目の前には刀の先。
貴『動けば切る。』
そこには天女かと疑うほどに美しく儚げで、怯えた瞳を持った女が。
まっすぐ俺を捉えて剣を向けて立っていた。
_______________これが俺とAの初めての出会い。
この出会いが後に、
解れた鼻緒を紡ぐように気持ちを紡ぎ。
この本丸を再建して、最強の本丸を作り上げていくなんて。
まだ俺には想像すら出来ていなかった。
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ゆともす(プロフ) - 更新待ってます! (2018年10月4日 8時) (レス) id: 0710793742 (このIDを非表示/違反報告)
さくら - とても面白いです(*^^*)これからも頑張ってください!応援してます!このお話大好きです(*^^*) (2018年3月31日 10時) (レス) id: 05de94b2f8 (このIDを非表示/違反報告)
ノドカ - とても面白くて一気読みしました!更新楽しみにしてます!頑張ってください! (2018年1月20日 18時) (レス) id: 94062155e7 (このIDを非表示/違反報告)
フランドールスカーレット - 二話目おめでとうございます!!一話から一気に読んだんですが文才に惚れました!!最新ファイトです! (2017年12月22日 13時) (レス) id: b4813fd3d3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きな粉餅 | 作成日時:2017年12月21日 22時