ねぇ、誰か助けてよ【第二之巻】【ブラック本丸】

迷い ページ13

私は野菜の皮むきを始めつつ彼の問いに答えた。







貴『ご機嫌も何も、別に普通ですけどね。』






薬研｢そうか。……新しい審神者は？｣






貴『部屋にいらっしゃいます。今から昼餉を。』





私と薬研はこんなに会話が続かない仲だっただろうか。





いや、違う。






きっと薬研も心の中で葛藤してる。






優馬様と仲のいい私と話すことに迷ってるんだね。






彼も忠誠心の強い刀剣男士。







優馬様を信じたいって思っているはず。






ここは思い切って_______









貴『ね、薬研。優馬様とお話してみない？』






薬研｢…。｣






貴『口、空いてますよ？』





薬研｢っ！悪い…。｣






貴『会って頂ければ分かると思いますが、彼はきっと私たちを救って下さる方です。…直感ですけど。』






薬研｢そうか。Aがそこまで言うってならそうなんだろうな。｣






薬研は少し目を緩めて初めてこちらを向いた。






薬研｢でも、少し考える。俺だって馬鹿じゃない。｣





貴『うん、でも私は信じてます。きっと薬研は主のことが好きになるってこと。』






薬研｢なんだそれ。｣







薬研は呆れ顔でそう呟いた。






薬研｢(まぁでも、あそこまで言われて行かないのは男が廃るな…。)｣

終わり ログインすれば
この作者の新作が読める(完全無料)

←過ち【貴方side】

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す