78クール ページ33
Aside
リーダー格の男の言葉に茅野が何かをつぶやく。
僕には聞こえなかったがアイツには聞こえたのだろう、いきなり茅野の胸ぐらを掴んでキレ始めた。
A｢やめろよ！｣
僕がそう叫ぶとあいつの注目は僕に向いた。
リュウキ｢……さっきから黙って見てれば口出しばっか……。
……この2年で何も変わってねぇくせによォ？｣
思わずその言葉に怯んでしまう。
リュウキ｢確かに昔よりは強気になった。
でもどうせ口しか動かねぇんだ？
自分より可愛い弟のお陰で助かったお姉さんよ？｣
さーっと血の気が引いていくのが分かる。
一番思い出したくなかったことだ。
リュウキ｢あいつ可愛かったよなぁ。
なあ、お前ら。｣
周りのガヤたちがそれぞれに意見を言い始める。
可愛かったやら何も知らない純情な子で弄りがいがあったやら、聞きたくもない言葉が聞こえてくる。
A｢あ、あれはおま、えらが……｣
さっきのように反論しようとするも言葉が詰まって出てこない。
リュウキ｢2年前、俺がお前の弟を女と勘違いして攫って、まあ、あん時はすぐバレちまってあまり手を出せなかったけどよ。｣
昔の楽しかった頃を笑顔で語る男。
やめてよ、と喉元まで出かかっているのに。
息しか出てこない、音にならない。
僕は今どんな顔をしているのだろう。
きっと泣きそうな顔になっているだろう。
リュウキ｢いいねぇ…！
エリート振ってる奴の悲痛に満ちた顔がたまんねぇんだよなぁ……！｣
ヤンキーたちの笑い声が頭の中で響く。
こんなに辛いのなら、全てをぶちまけてしまおうか。
俯きながら息を荒らげる僕の手を誰かがそっと触れる。
その手の主は神崎だった。
こんな状況なのに、いつもの優しい笑顔を僕に向けていた。
そんな些細な行動だけなのに、すごく長い時間に感じた。
早くなっていた鼓動が落ち着いてくる。
何を取り乱しているんだ、僕は。
今は昔のことを悔やむような時間はない。
3人が、無事に助かる方法を探して実行しなければ。
頬をペちっと叩いて気持ちを入れ替えたいところだけど、そうもいかないからブンブンと顔を振り、気持ちの入れ替えをする。
A｢……神崎、ありがと。｣
僕がそう言うと彼女はまた柔らかな表情で
神｢どういたしまして。｣
というのだった。
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乃亜ラッテ(プロフ) - 渚大好きさん» コメントありがとうございます！！応援の言葉を糧に頑張らせていただきます！！ (2017年12月17日 21時) (
レス) id: 1160659caf (このIDを非表示/違反報告)
渚大好き(プロフ) - 頑張ってください！ (2017年12月17日 15時) (レス) id: f3618771b7 (このIDを非表示/違反報告)
乃亜ラッテ(プロフ) - rainさん» うう(T_T)ありがとうございます！！無理するどころかなまけちゃってて・・・ほんと申し訳ない・・・、面白いと言っていただけてうれしいです！！頑張って話作っていきます('◇')ゞ (2016年4月18日 0時) (レス) id: f9a9612f3c (このIDを非表示/違反報告)
rain - 面白かったです！これからも更新頑張って下さい！無理はしないでくださいね！ (2016年4月17日 22時) (レス) id: 6793ed2170 (このIDを非表示/違反報告)
乃亜ラッテ(プロフ) - イラさん» お褒めの言葉、ありがとうございます！！・・・でも私自身夢主ちゃんの設定が分からなくなってきていr（（（、コメントありがとうございます！プレートが動く速さと同じくらい遅い更新ですけど頑張ります(*'ω'*) (2016年3月31日 0時) (レス) id: f9a9612f3c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：月影 | 作成日時：2016年2月21日 16時
